「古楽」という単語の用法

金沢正剛(2010)『新版 古楽のすすめ』(音楽之友社)によると、「古楽」というのはバッハ以前のヨーロッパ音楽のことです。

そしてこの『〜 古楽のすすめ』を通して、自分なりに「古楽」について学んで曲解しているところですが(笑)、「古楽」という単語には、「バッハ以前のヨーロッパ音楽」とは別の意味もあるようです。

「「古楽」という言葉を〔中略〕「古い音楽」という意味ばかりでなく、「過去の音楽をその時代の演奏習慣に従って演奏すること」を指して「古楽の演奏」と呼ぶことが最近一般化しつつある」(金沢正剛(2010)『新版 古楽のすすめ』音楽之友社 p. 36)

えー、ポピュラー音楽で喩えましょう(笑) 要するに、Ramones を演奏するときには、Ramones みたいな格好をしなければならない、と、そういうことです。パンク古楽(笑)、いや、古楽パンク、どっちでもいい(笑)

あ、ちょっと違うみたいですね。

「特に器楽の場合に、その作品が作曲された当時の楽器、またはその複製を揃えて演奏することを意味する場合が多い。そしてそのような楽器を「ピリオド楽器」、あるいは「歴史的楽器」などと呼ぶことも定着しつつある。またその場合、古楽の領域がバッハ以降、時には十九世紀半ば頃にまで及ぶことさえある」(同書 p.36 – 37)

まあ、Ramones みたいな格好をして演奏しても、Ramones と同じ楽器で演奏しないと、古楽パンク(そんな言葉ないよ(笑))であり得ない、と、そういうことでしょう。

とまあ、ここまでで「古楽とは何か」がざっくり学んできた(曲解してきた)わけですが、しかしバッハ以前て広過ぎでは・・・? ということになりますよね・・・。実際には、例に挙げられている音楽家・作品を、こつこつ聴いていきながら、掴んでいくしかないですね。

おそらく、古楽の面白さというのは、先ず第一に、その音楽が自分の感性に合っているという具合の(言ってよいのか分からないけど)「好き」というのが大事で。その次に、一歩踏み出すと、あまりにも広過ぎ・深過ぎて、ついつい探求したくなってしまう、みたいな。そういうのがあるんでしょう。


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