音楽を聴きながら勉強 / 仕事は実際のところどうなのか?

仕事や勉強をしているときに音楽を流すことがあるでしょうか? その音楽があなたのパフォーマンスにどのような影響を与えているのか、気になったことはありませんか? 音楽が認知タスクのパフォーマンスにどのような影響を与えるかについては、これまで多くの研究が行われてきましたが、その結果は一様ではありません。今回は、Lena Maria Hofbauer らによる「Background music varying in tempo and emotional valence differentially affects cognitive task performance: experimental within-participant comparison」(日本語タイトル: 「背景音楽のテンポと感情価が認知タスクのパフォーマンスに与える影響」)という論文に基づき、このテーマについて詳しく解説していきます。

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西洋音楽史における調性空間の変遷を解析する計算モデリング

音楽の歴史において、作曲技法やスタイルの変遷はどのようにして起こったのでしょうか?そして、その変遷を解析するために計算モデルはどのように活用できるのでしょうか?今回は、Fabian C. Moss、Robert Lieck、Martin Rohrmeierによる論文「Computational modeling of interval distributions in tonal space reveals paradigmatic stylistic changes in Western music history」(2024) を紹介し、コンピューターモデリングがどのようにして西洋音楽史の様式変化を明らかにするかを解説します。

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音楽とモビリティ: ナショナリズムの超克

音楽が特定の国や文化に根ざしていると考えられる一方で、人や物、概念の移動によってその音楽がどのように影響を受けるかという視点は、従来の音楽学や民族音楽学においてはあまり注目されてきませんでした。しかし、近年の研究では、音楽の移動性(モビリティ)とその国際的な交流が音楽文化にどのような変革をもたらすかが重要視されています。本記事では、マイケル・ホールデン、ピーター・エイディ、ベス・スナイダー、ノーベルト・メイン、ニルス・グロシュによる論文「Mapping Musical Mobilities: Challenging Musical Nationalism through Mobility and Migration」(2024) を紹介し、音楽のモビリティとナショナリズムの関係について詳しく解説します。

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音楽で伝える気候変動の真実: The ClimateMusic Project

私たちが日々直面する気候変動の問題に対して、音楽がどのように役立つのか、考えたことはありますか?今回は、「The ClimateMusic Project」に関する学術論文「Music as a Vehicle for Climate Change Communication: The ClimateMusic Project」を基に、音楽が気候変動に関するコミュニケーションにどのような役割を果たすかについて詳しく解説します。

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日本各地の「はないちもんめ」: わらべうたの地域性を探る

日本人なら一度は聴いたことがあるだろうわらべうた「はないちもんめ」。子供の頃に遊んだことがある方も多いのではないでしょうか。では、この「はないちもんめ」が地域ごとに異なる特徴を持っていることはご存じですか? 今回は、わらべうた「はないちもんめ」の地域的特徴とその意義について、詳しく解説した学術論文・本野洋子「わらべうた『はないちもんめ』の地域的特徴の比較から見えてくるもの」(2024)をもとに紹介します。

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フリージャズとエレクトロ・ノイズの融合、Moth Cockの最新作『HousLive』

Moth Cock が新作『HausLive 3: Chicago Twofer』(2024)を 7 月 19 日にリリース。本作は、シカゴのDIYスペースで行われた二つのライブパフォーマンスを収録したエネルギッシュなライブアルバムです。このEPは、カセットテープ、ダブルCD、およびデジタル形式で発売され、リスナーに彼らの独自のサウンドを届けます。

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生命誕生の奇跡を祝う前衛ジャズ:Carlos Niño & Friendsの『Placenta』

Carlos Niño & Friendsによる最新アルバム『Placenta』(2024)が、5月24日に International Anthem レーベルからリリースされました。このアルバムは、Carlos Niñoが父親としての再生の経験からインスピレーションを受け、家族、出産、生命の奇跡をテーマにした壮大なコンセプトアルバムです。

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Jazz と Folk の融合: 新作『The Modern Jazz and Folk Ensemble』で魅せる Sean Khan の音楽探求

Sean Khan が最新アルバム『The Modern Jazz and Folk Ensemble』(2024) を AciでJazz Records から 5 月 24 日にリリース。このアルバムは、1960年代後半から1970年代初頭のフォークリバイバルのエッセンスを巧みに再構築し、ジャズの洗練されたアレンジと融合させた壮大な作品。Sean Khanの卓越したサックス演奏と豪華なゲストボーカリストたちが織り成すこのアルバムは、まさに音楽愛好者必聴の一枚です。

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ジャマイカ女性シンガー Shenseea の新作『Never Gets Late Here』はインターナショナルなコラボが積極的な意欲作

ジャマイカの人気アーティスト、Shenseeaが5月24日に待望のセカンドアルバム『Never Gets Late Here』(2024) をリリース。このアルバムは、彼女の音楽的な多様性とインターナショナルなコラボレーションが特徴。

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暴力的な歌詞と社会的行動: 音楽が心理に与える影響とは?

音楽は私たちの生活に深く浸透しており、日常生活のあらゆる場面で聞かれています。しかし、その歌詞や音楽の調子が私たちの心理や行動にどのような影響を与えるのでしょうか?特に、暴力的な歌詞や攻撃的な音楽が人々の行動や感情にどのような影響を及ぼすかについては、多くの議論がなされています。この記事では、2024年に発表されたWayne A. Warburtonらによる学術論文「Violent and prosocial music: Evidence for the impact of lyrics and musical tone on aggressive thoughts, feelings, and behaviors(暴力的および社会的行動を促進する音楽:歌詞と音楽の調子が攻撃的な思考、感情、行動に与える影響の証拠)」(2024)を紹介し、その詳細を掘り下げていきます。

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