「 2022年10月 」一覧

近世の音楽思想(6) カントの音楽美学

音楽を聴くとき、私たちは何を感じ、どのようにその美しさを理解するのでしょうか? 音楽の哲学史シリーズ「近世の音楽思想」の今回の記事では、Stanford Encyclopedia of Philosophy の「History of Western Philosophy of Music: Antiquity to 1800」の項目を参考に、イマヌエル・カント Immanuel Kant (1724-1804) の音楽に対する考え方を探ります。デカルト René Descartes 、ライプニッツ Gottfried Wilhelm Leibniz 、ルソー Jean-Jacques Rousseau といった哲学者たちに続いて、著作『判断力批判』Kritik der Urteilskraft (1790) および『実用的見知における人間学』Anthropologie in pragmatischer Hinsicht (1798) を通じて、音楽の美学においてカントがどのような位置を占めるのかを見ていきましょう。

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近世の音楽思想 (5)ルソー、和声、模倣

音楽の哲学史シリーズの「近世の音楽思想」。今回はジャン=ジャック・ルソー Jean-Jacques Rousseau の音楽に対する見解と、彼の思想が当時の音楽界に与えた影響について詳しく見ていきます。前回は、近世における音楽思想として、デカルトやライプニッツの思想、そして音楽における模倣と表現の対立に焦点を当てました。今回は、ルソーの音楽へのアプローチと、彼が生涯を通じて追求した音楽の表現力と哲学について深掘りします。参考は Stanford Encyclopedia of Philosophy の「History of Western Philosophy of Music: Antiquity to 1800」の項目です。

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近世の音楽思想 (4) 模倣から表現へ

前回までで、フィレンツェ・カメラータからメルセンヌ、デカルト、ライプニッツに至る近世の音楽思想を探求してきました。今回の章では、18世紀を通じて模倣から表現へと移行する音楽思想の発展に焦点を当てます。

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近世の音楽思想(3)メルセンヌ、デカルト、ライプニッツ

前回の記事までで、ティンクトリスやザルリーノの音楽思想、そしてフィレンツェ・カメラータについて考察しました。今回は、近世音楽思想のさらなる探求として、音楽における感覚と合理性の探求に焦点を当て、メルセンヌ、デカルト、ライプニッツの貢献を詳しく見ていきましょう。参考は Stanford Encyclopedia of Philosophy の「History of Western Philosophy of Music: Antiquity to 1800」の項目です。

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