金澤正剛『新版 古楽のすすめ』「まえがき」のノート

現在読んでいる、 金澤正剛『新版 古楽のすすめ』「まえがき」のノートです。小節線のある/なしについて、興味深い考え方があったのでメモ。

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小節線のある/なしについて

「十五~十六世紀のポリフォニーの楽譜においては、今日のスコア方式の楽譜と異なり、それぞれの声部が別々に記されている。つまりテノルはテノルの旋律だけを、バスはバスの旋律だけを見て歌う。その点では今日のオーケストラのパート譜と同じであるが、拍子を示す小節線が引かれていない点が違う。各声部はそれぞれ基準となるタクトゥスに合わせて、強弱に関係なく、のびのびと歌う。アクセントはそれぞれの声部の歌詞の付け方にしたがって付ける。そこで各声部はそれぞれ独立した動きを続けながら、重なり合って素晴らしい調和の世界を生み出す。それこそがこの時代のポリフォニーの醍醐味である。

ところが現代人はえてして、この時代のポリフォニーを歌うに際して、現代的な拍子を取りながら歌ってしまっているのではないだろうか。そうすることによって、この時代の音楽作品が持つ独特な持ち味を失ってしまっているのではないだろうか」(金沢正剛(2010)『新版 古楽のすすめ』p. 18 – 19)


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