西洋音楽史、バロックの7回目です。
前回のエントリーまでで、バロック期に誕生した声楽のなかでも、オペラについて取り上げました。
なお、西洋音楽史の目次はコチラになります。
今回は、バロック期におけるオペラ以外の声楽曲を取り上げます。
1.カンタータ、歌曲
バロック期には、オペラ以外にもカンタータ cantata や歌曲(アリア Aria、リート、エール、エア)などの声楽曲が好まれました。
※アリア: 詠唱と訳されます。オペラ、オラトリオ、カンタータなどの大規模で多くの曲を組み合わせて作られている楽曲における、叙情的、旋律的な独唱曲、または類似の曲に付けられる曲の名前です。英語に従ってエア Air とも言います。
2.イタリア
イタリアでは、カッチーニ Giulio Caccini が歌曲《新音楽ヌオーヴェ・ムジケ》Nuove Musiche を発表しました。
この作品は、通奏低音つきモノディー様式です。
また、1640年ころから、カンタータが作曲されるようになりました。カンタータとは、アリアとレチタティーヴォを組み合わせてまとまった内容を表現する形式です。カンタータは、劇場用の作品ではなく、衣装や演技もなく、独唱や重唱、トリオ・ソナタ程度の編成の器楽伴奏から構成されていました。
3.ドイツ
ドイツで好まれたのは、有節形式の歌曲、ゲネラルバス・リート Generalbaβ Lied でした。ゲネラルバス・リートは、1番、2番と同じ旋律を歌ってゆく通奏低音つき独唱歌曲です。
作品として人気が高かったのは、
- クリーガー
- テーレマン
の作品でした。
今回は、バロックの音楽におけるオペラ以外の声楽について取り上げました。次回はバロックの音楽における宗教音楽について取り上げます。
参考文献
- 片桐功 他『はじめての音楽史 古代ギリシアの音楽から日本の現代音楽まで』
- 田村和紀夫『アナリーゼで解き明かす 新 名曲が語る音楽史 グレゴリオ聖歌からポピュラー音楽まで』
- 岡田暁生『西洋音楽史―「クラシック」の黄昏』
- 山根銀ニ『音楽の歴史』