「 Giulio Caccini 」一覧

近世の音楽思想 (2) フィレンツェ・カメラータの影響

前回の記事で、近世初期の音楽思想として、ティンクトリス Tinctoris やザルリーノ Zarlino の理論を掘り下げました。今回は、その続きとして「メロディと表現」に焦点を当て、特にフィレンツェ・カメラータ The Florentine Carameta の重要性と彼らが音楽に対して持っていた哲学的なアプローチについて詳細に説明します。主な参考先はこれまでと同様、Stanford Encyclopedia of Philosophy の「History of Western Philosophy of Music: Antiquity to 1800」の項 です。今回の記事ではでは、メロディがどのように音楽の表現力を高めるのか、そしてそれがなぜ近世の音楽思想において重要なのかを探ります。

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楽譜どおりに演奏しない

金澤正剛『新版 古楽のすすめ』(2010年、音楽之友社)を読みながら、古楽について学んでいるところです。当エントリーは、「第十二章 即興演奏について」についてのノートになります。第十二章については、以下も参考にしてください。

なお引用文は、特に断りのない限り、同書からになります。

さて、第十二章では、古楽における即興演奏をテーマに、楽譜と演奏との関連性が説明されています。当時のヨーロッパ音楽は、現在コンサートホールで演奏されるようないわゆる「クラシック」とは異なり、楽譜に対してかなり寛容的だったようです。しかしその分、現在以上に楽譜リテラシーのようなものが求められていたのかもしれません。

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バロック(7)オペラ以外の声楽

西洋音楽史、バロックの7回目です。

前回のエントリーまでで、バロック期に誕生した声楽のなかでも、オペラについて取り上げました。

なお、西洋音楽史の目次はコチラになります。

今回は、バロック期におけるオペラ以外の声楽曲を取り上げます。
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