3月14日にも書いたが、
Twitter での武井一雄氏の発言が、Togetter にまとめられている。
私は VOCALOID が肯定的に捉えられる風潮が、もっともっとポピュラー音楽へと、もっともっともっと音楽全体へと、浸透してほしいと思っている(ただ、個人的には好きではないから聴かないけど)。
この思いは武井一雄氏と共有している上で、ちょっと突っ込ませてもらうと、
丁寧に調声されたVocaloid3の歌唱は、人間の歌の模倣として新たな境地に達していると思います。もしも近い将来のボーカロイドの歌唱が、人間が歌うものと見分けがつかないのならば、それは人間の歌唱というほかはないでしょう。
— 武井一雄@こっちはぜんぜん味がない (@meza3) March 13, 2012
という発言が気になる。特に、あくまで「もしも」と断りを入れての発言なのだが、「近い将来のボーカロイドの歌唱が、人間が歌うものと見分けがつかないのならば」の部分。ここは同意しかねる。
というのも、VOCALOID の魅力というのは、人間ではないものが歌う、という点にあるからだ。言い換えれば、人 間 と は 全 く 別 の 歌 が 生 ま れ る 可 能 性 が あ る こ と 、これが VOCALOID の最大の魅力だろう。
「人間が歌うものと見分けはつかない」けど人間の能力を遥かに逸脱した歌唱、という意味で「人間が歌うものと見分けがつかない」VOCALOID に期待しているという意味であれば、同意するけれども(しかしそれは「人間が歌うものと見分けがつかない」と言えるのだろうか)
なお、この直後の発言は、正にその通り。VOCALOID ユーザーにはぜひとも頑張ってほしいものだ(他力本願な上に偉そう(笑))
それはボーカロイド技術の到達点であり終焉なのでしょうか?いえ、そのときネオ・ボカロPたちは、今の私達には想像もつかない新たな表現を編み出すに違い有りません。ディストーションギターが、過剰な音程補正によるケロ声がそうであったように、新技術の斜め上をいく使い手が必ず現れると思います。
— 武井一雄@こっちはぜんぜん味がない (@meza3) March 13, 2012
参考 URL
- 武井一雄 Kazuo Takei https://twitter.com/meza3
- 音楽技術史:音楽とPAとVOCALOID http://togetter.com/li/272010
- 音楽技術史:電子楽器の台頭と音声合成歌唱の未来 http://togetter.com/li/272551