20世紀後半の音楽(11)第2次世界大戦以降のソヴィエト

西洋音楽史、20世紀後半の11回目です。前回はコチラ

20世紀後半の音楽(10)引用の音楽
西洋音楽史、20世紀後半の10回目です。前回はコチラ。 さて今回は、1960年代以降、音楽におけるモダニズム mo...

さて今回は、第2次世界大戦以降のソヴィエトの音楽について取り上げます。

【スポンサーリンク】
スポンサーリンク

1.スターリン死去後

ロシア革命以降のソヴィエトでは、社会主義リアリズム Socialist realism の音楽を創作するよう義務づけられ、音楽家たちは自由に創作活動を行えませんでした。

1952年にスターリンが亡くなると、こうした芸術家たちへの圧力は、徐々に弱まっていきました。

長年、上演を禁じられていたショスタコーヴィチ Дмитрий Дмитриевич Шостакович 《ムツェンスク郡のマクベス夫人》Леди Макбет Мценского уезда が復活し、

ロシア・アヴァンギャルド Русский авангард の芸術が脚光を浴び始めました。

2.多様式主義の音楽

一方でソ連国内には、それまで伝わってこなかった同時代の音楽情報が一気に押し寄せ、音楽家たちは独特の作風を編み出しました。多様式主義 Polystylism の音楽です。

多様式主義の音楽は、セリー Seriesやクラスター Cluster と、中世ルネサンス音楽様式が併存しているような、歴史の序列を度外視した作品を生み出しました。

  • シュニトケ Альфре́д Га́рриевич Шни́тке《交響曲第1番》(ジャズの即興演奏を取り込み、古典派ロマン主義の様式と現代的な響きをかけあわせた)
  • グバイドゥーリナ София Асгатовна Губайдулина《クワジ・ホケトゥス》Quasi Hoquetus中世の語法をよみがえらせる)

この他にも、

  • デニソフ Эдисо́н Васи́льевич Дени́сов
  • ペルト Arvo Pärt
  • カンチェーリ გია ყანჩელი(Giya Kancheli

らが多様式主義の音楽に取り組みました。

次回は新ロマン主義について取り上げます。

20世紀後半の音楽(12)新ロマン主義
西洋音楽史、20世紀後半の12回目です。前回はコチラ。 さて今回は、引用の音楽 Musical quotation に並び、ポ...

【スポンサーリンク】
スポンサーリンク