Togetter に、「風適法改正当事者が漏らした摘発の理由」というまとめがアップされていました。
まとめに使用された発言はすべて、「思想家[未完成]、ジャーナリスト。 映像制作・PR会社経営。世界で一番歌舞伎町の『今』と『明日』を知るネオ・アナーキスト」(Twitter のプロフィールより)である寺谷公一( @TerataniKouichi )さんによるもの。
「体が触れ合う」から「規制」される
いちばんのポイントになっている発言を引用すると、
ライブハウスなどがなぜ風営法(風適法)違反で摘発を受けるのか?-警察庁で話を聞いたことがある。「席について音楽を聴くだけならいい。立って、からだが揺れると男女がいる空間で体が触れ合う。ムラムラっと・・ってこともありうる。そこが風俗的、という解釈。」
— 寺谷公一(てらたにこういち)さん (@TerataniKouichi) 7月 25, 2012
とのこと。「体が触れ合う」から「風俗的」、だから「規制」される、ということか。
法律を作る者全てが、法の対象に対して専門的である必要はない、とワタシは考えます。例えば、殺人を取り締まる法律を作った者が殺人の専門家だったら大変なことになりますから。しかしそれでも、専門的な立場になって考えられる人間でなければならないと思います。
風営法、クラブ、ライブハウスで考えれば、ライブハウスやクラブの経営者の立場、ということになるかもしれません。
音楽を楽しむ者の立場で考えたい
しかし。
そうではなく、あくまで音楽を楽しむ者の立場で考えた場合、どうでしょうか。
音楽を「席について」「聴くだけ」という楽しみ方が、一体、現状からどれ程乖離しているでしょうか。
「男女がいる空間で身体が触れ合う」のではない音楽の楽しみ方、というのが、一体、どれほど成立可能でしょうか。
もし、風営法のクラブ、ライブハウスへの適用の理由というのが、先に引用した発言通りだとすれば、はっきり言って音楽を法律で規制しているとしか考えられません。
ワタシとしては、風営法がクラブやライブハウスの経営者に都合の良いように改正されるのは、難しいと考えています。
しかし、もし、ダンスと音楽鑑賞を別モノとして考えているという土台があってその上に現在の風営法が成立しているのであれば、それは音楽に対するあまりの無知さに起因していると思ってしまいます。
こう考えれば、「クラブ」「ライブハウス」経営とは別の視点から、正に、ワタシが一度否定した「文化的側面」から、風営法改正へのアプローチができるかもしれません。