風営法について調べていたら、いつの間にか日本の音楽業界は「違法ダウンロード刑罰化」がアツいキーワードになってたみたいです。頼むから風営法とクラブの問題について風化させないでくださいね。
と、いうことで、Twitter を中心にネットで気になった違法ダウンロード刑罰化に関する発言を、まとめます。
ハードディスクにはたくさんの違法データが!?
先ずは、日経ビジネスオンラインから、
話を冒頭に戻す。「違法なら罰則があって当然だ」という見方は、実は、かなり大幅に間違っている。法の実態はそんなに単純なものではない。禁止が定められていながら、それを破った場合の罰則が定められていない法令は、実のところ、山ほどある。
これは、法律オンチのワタシには初耳でした。法令の中には、破っても罰則が定められていないものがあるだなんて。
「「違法ダウンロード刑事罰化問題」は、これまで特段に罰則が定められていなかった「違法ダウンロード」に対して、新たに「刑事罰」を科そうという策動をめぐる問題」
けっこう何年も前から、ネットにまつわる著作権違反で逮捕! みたいなニュースをみかけていたので、てっきりワタシとしては、「ダウンロード」も「刑事罰」の対象だと思っていたわけです。ただ、そうではない、と。
「発端は、2010年の1月、違法にアップロードされた音楽ファイルなどを違法と知りながらダウンロードする行為を禁じた、いわゆる「ダウンロード違法化」を盛り込んだ改正著作権法が施行されたところにある。この改正自体、かねてからの音楽業界の意を受けたものだったのだが、この時には、罰則規定は見送られている。」
「ダウンロード違法化」の際にも、かなりもめましたよね。二次創作による文化の活性化が衰頽する、など。これに TPP 問題なども関係して、アマチュア音楽家のみならず、アマチュア・アーティスト総出で「反対!」という声があげられていました。ネットと文化の関係性の問題について、この「刑罰化」を巡り2年以上たって再燃してきた、という印象です。
音楽業界には「違法ファイルの流通がCD売り上げ減少につながっている」という意見がくすぶり続けていた。で、彼らは、文化庁傘下の審議会などで、違法ダウンロードの刑事罰化を強く求め、また、各党の議員を対象に、活発なロビー活動を続けてきた。
こうした流れを受けて、音楽等の私的違法ダウンロードについて、自民党及び公明党が、政府提案の著作権法の一部を改正する法律案を修正し、刑事罰(2年以下の懲役または200万円以下の罰金)を設ける法案が整えられる。
で、その法案が、にわかに成立しそうな雲行きになっている
とにかく、音楽業界としては CD の売り上げが落ちていて、それは違法ファイルの流通が原因なのだ、と。そのため、違法ダウンロードを刑事罰化することで、CD 売り上げの回復ができるのではないか、と。いうことらしいです。
ただ、「成立しそうな雲行き」というのは、「政局」が絡んでいるそうです。
「要するに、民主党の側では、消費税の増税案を通すためなら自公両党に対してかなり譲歩する決意を固めているということで、「違法ダウンロード刑事罰化法案」の丸呑みは、ほかにもいくつかある民主党側からの「妥協」のひとつとして差し出される案件であるようなのだ。」
と、いうことで、或る法案を通すために別の法案が「妥協」として差し出されている。そして今回、その「別の方案」が、違法ダウンロード刑罰化に関する法案だった、ということです。
音楽の違法ダウンロード刑罰化への反対意見
当然、反対の声が上がっています。
この後、日経ビジネスオンラインの記事では、「デジタル世代のプライバシー」的視点から、違法ダウンロード刑罰化によるプライバシー侵害の恐怖を述べているのですが、最後に、音楽業界的視点から、反対の声明を提出しています。
私がこの法案に反対するのは、この罰則化が、誰の得にもならないと考えるからだ。
もし仮に、違法ダウンロードを刑罰化することで、CDの売り上げが復活し、有料ダウンロードの件数が増加し、結果としてそれらが音楽産業の繁栄につながるのであれば、犠牲は犠牲として、この法案にも、一定の意義はあったということになるはずだ。
でも、そういうことにはならない。
そうでしょうね。
けっきょく CD が売れる/売れないというのは音楽をビジネスとして成り立たせていくにあたって、もう重要な問題ではないのです。ワタシが思うに。では CD 以外のフォーマットで楽曲を売る、例えばダウンロードで売る、などというのも、重要な問題ではない。つまり、「良い曲を書く」というのが、そもそも音楽ビジネスの中枢になる時代が終わりつつあるのではないか、と、アマチュア音楽家として考えているわけです。
Twitter の反応
つづいて、朝日新聞の記事が話題になった日の近辺で気になった、Twitter の発言(ワタシの暢気な発言も含む)を集めました。
「着うた」がなくなるという危機感と、違法サイトを無くすためのクラウド化&ストリーミングサービスにポジティブになることで、音楽(レコード)業界は、これから良くなるのかも。若い感覚を持ったスタッフが腕をふるう環境をもっとつくって欲しいな。異業種とも人材交流して、活性化すべき。
— 山口哲一@10/1音楽未来予測イベント (@yamabug) June 14, 2012
もうこれからはメジャーが発売するCDは全部CCCDにしたらいいじゃない。それで違法化もできるし。それで「失われた」6800億円を取り戻せばいいんじゃないかな。
— 津田大介 (@tsuda) June 15, 2012
音楽業界の現状としてはCDは落ちてるものの、米国ほどは落ちてない。ミスチルやコンプガチャ商法的なジャニーズやAKBのCDは100万枚とか売れるけどそういうお化けタイトルとそうでないCDの格差が激化してる。深刻なのは着うた/フル。スマホ移行が急速に進んでここ半年の落ち込みがヤバい。
— 津田大介 (@tsuda) June 15, 2012
何か分かり難いんだけど、DVD はアウトで CD はセーフってこと? #リッピング #ripping
— Xtra Peace (@xngyz) June 15, 2012
@yz_xnaga CDもアウトよ
— おにくだいすき (@ONIQUE_JP) June 15, 2012
@GxAxCxK 逆に違法ダウンロードが増える気がしますね。消費者心理的には。安い方がいいし
— Xtra Peace (@xngyz) June 15, 2012
とりあえず今日は良い機会なので、ホントに何度も聴き返す「無人島に持っていきたい的CD」を除いて所有してるCDを全部売っぱらってしまおうと決めました。どれぐらいあるかな。多分1万枚弱だとは思うんだけど……。
— 津田大介 (@tsuda) June 15, 2012
津田さんも言ってますが、CDを買う、というのはCDを売っている人との信頼関係とか、共犯意識とか、音楽以外の部分が物凄く重要だったわけですね。僕は自分の生活が精一杯でCD買わなくなりました。ノーミュージックノーライフなんてウソ。
— ヨシアキ@10/15静岡フリーキーショウ (@SEEMOREYOSI) June 15, 2012
アナログレコードを PC に読み込んで、音楽を嗜んでいるワタシには無縁の話なのだろうか
— Xtra Peace (@xngyz) June 15, 2012
これを機に VHS 復活期待できるな。胸アツ #リッピング #ripping
— Xtra Peace (@xngyz) June 15, 2012
ただ、こういうのもあるんだよねえ http://t.co/JY8EhUSb
— Xtra Peace (@xngyz) June 15, 2012
リッピング規制しても音楽は死なないよ。ワタシみたいなカネ持ってない音楽バカ連中はまた別の手段を考える/思いつくだけ。そういう意味で、政府と業界とワタシの利害は一致している
— Xtra Peace (@xngyz) June 15, 2012
話トぶけど、作品、っていう考え方に捉われ過ぎ。映像だってもしかしたら考え方によっては、2時間弱でキッチリまとまっている映画より、だらだらしている27時間テレビの方が価値が高いかもしれない
— Xtra Peace (@xngyz) June 15, 2012
だから数年のうちにもしかするともしかするでこういう話になるんだって | 来年(2013年)いっぱいでアナログ映像出力が完全禁止される件 http://t.co/JY8EhUSb
— Xtra Peace (@xngyz) June 15, 2012
あとCDの売り上げを音楽家のサバイブと結びつけて語る人は既に淘汰されてることに気づいたほうがいいですね。
— 渋谷慶一郎 (@keiichiroshibuy) June 15, 2012
CCCDのときから見放してます。ああいうくだらない法案にいちいち反応してる時間がもったいないですね。RT @myonycteris: 今回の法案では、渋谷さんのような方には毒にも薬にもならんただの無駄なんですよね。
— 渋谷慶一郎 (@keiichiroshibuy) June 15, 2012
まあ、正直あまり「ダウンロード刑罰化」には興味ないんですが(笑、個人的には風営法問題の方が重要です!) 引き続き追っかけていこうと思います。