仮想通貨で切り拓く, 音楽ビジネスの未来

昨年, 2017 年のビットコインの高騰によって注目を集め, 一気に知名度が広がるとともに無視できない存在となった仮想通貨. いまはまだ, その投機的な側面ばかりが取り沙汰され, 場合によっては「あやしい商材」的に扱われることもあります. しかし, 成立過程などを調べれば, 仮想通貨 (およびこれを支えるブロックチェーン技術) は決して単なる投機対象などではなく, (発展途上な点も含め) 革新的な決済ツールであることが分かるはずです.

仮想通貨とは何か, あるいは仮想通貨を利用する具体的なメリット・デメリットについての説明は, 仮想通貨を中心テーマにした書籍などを参考にしてください.



目次

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ビョークも注目した仮想通貨

さて, 仮想通貨は, いままでにない決済ツール ≒ おカネの受け渡しツールとして開発されていて, 投資 (機) の対象になっているわけですが, ということは, あらゆるビジネスにおいて仮想通貨を利用できるということです. そしてそれは音楽においても例外ではありません.

例えば昨年 2017 年, ビョークがアルバム『Utopia』の通販の支払いにビットコインを導入しましたし, Monero という仮想通貨がアーティストグッズ販売に利用されました. また, DJ の Gareth Emery が, 仮想通貨でのディストリビューションに関心をもっていることなども報じられています.

ちなみに, 最初にビットコインでアルバムを販売したメジャー・アーティストは, 50 Cent だそう.

仮想通貨を利用した音楽プラットフォーム

以上は大規模な音楽ビジネスでの仮想通貨の導入事例 (まだまだ実験的だとは思いますが) ですが, アマチュア・ミュージシャンにとっても, 仮想通貨は無視できない可能性を持っています. というのも, 音楽ストリーミングサイトでの再生数に応じて仮想通貨を得られるプラットフォームがスタートしているからです.

AudioCoin を利用できる Aurovine

例えば, 2014 年にスタートした仮想通貨, AudioCoin を得られる Aurovine.

AudioCoin は, 前述のビョークの『Utopia』購入の際の決済方法にも採用され, 一気に注目を集めました.

2017 年に登場した Musicoin

もう 1 つは Musicoin.

2017 年にスタートした新しい音楽系仮想通貨であり, 音楽ストリーミング・サービスの名称でもあるんですが, 2018 年 1 月時点で, Musicoin の円換算の方が, Audiocoin よりも高額になっています ( 1 ADC=約 1 円, .1 MUSIC = 約 5 円)

Aurovine への登録, 楽曲アップロードはすごく簡単

Aurovine へ登録, 楽曲をアップロードしてみたのですが, 英語版 Bandcamp に楽曲をアップロードできるくらいの英語力があれば, 誰でも利用できます. Aurovine への楽曲の登録自体は, おカネは一切かかりません.

ミュージシャンが仮想通貨を利用するべき理由

ミュージシャンが仮想通貨を利用するメリットは, 中間マージンが今まで以上に少なくなる, という点にあるでしょう. ネットの発展によって, レコード会社の影響力は以前に比べれば徐々に衰えつつあると同時に, アマチュアでも気軽に音楽を発表できるようになりました. ただ, その結果, 現状, ストリーミングやフリー商法の隆盛によって, ミュージシャンの「取り分」が少なくなってきているとも言われています.

仮想通貨による決済が普及すれば, アマチュアが気軽に音楽を発表できるという環境はそのままに, いまよりもミュージシャンの取り分が多くなるかもしれません.

ミュージシャンが仮想通貨を導入するデメリットについてですが, ミュージシャンに固有のデメリットとうのはなく, およそ一般的に仮想通貨を導入する際に気をつけなければならないことを, ミュージシャンは普通に気をつけなければならない, ということになると思います.

まあ, 2018 年の 1 月現状,「仮想通貨」「ミュージシャン」だと, 詐欺の臭いがぷんぷんしてしまう, メジャーなミュージシャンだと, イメージダウンにつながってしまう, ていうのが最大のメリットですかねえ.

ちなみに, 音楽配信以外でも音楽系仮想通貨が存在します. たとえば, ライブ・コンサート関連の「Viberator」「Blocktix」です.

なお, 今回紹介した AudioCoin と Musicoin ですが, AudioCoin は BleuTrade, Musicoin は Bittrex という仮想通貨取引所で購入することができます. いずれも日本のサービスではなく, 日本のサービスである, たとえば coincheck であるとか bitflyer であるとかから購入することはできません.

ということは現状, たとえば Aurovine で売り上げとして受け取った AudioCoin を日本円へ換金したい場合, AudioCoin を Bitcoin など主要な仮想通貨へ両替してから, Bitcoin からさらに日本円へ換金する, といった手間がかかります.

こうした手間も, (どのくらい将来のことになるか分かりませんが) 仮想通貨が普及することで解消されるかもしれませんが, 今の段階では, 日本国内の仮想通貨取引所に口座開設するのがいちばん手っ取り早いです (Aurovine や Musicoin といった音楽プラットフォーム自体は, 仮想通貨の口座をもっていなくても利用できます).

現時点では, すでに用意はされているものの, まだまだただの「可能性」でしかない,音楽ビジネスにおける仮想通貨の利用ですが, ミュージシャンと消費者をよりダイレクトに関係付けつつしかもミュージシャンの手取りが増える (かもしれない) という点で, 普及に期待しています.

仮想通貨が音楽ビジネスで本格的に普及した場合, 損するのはレコード会社や大手ストリーミングサイトだと思いますので, その辺でデカい争いがあるかもしれませんね.

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