哲学系の事典で「音楽」はどう論じられているのか?: 『哲学事典』(平凡社)「音楽学」のノート

音楽は哲学的にどう議論されているのか、あるいは議論されてきたのか。その大枠を捉えるために最も有効な手段のうちの1つが、「事典を調べる」でしょう。ということで、様々な哲学・思想系の事典で音楽に関する項目をノートをつくってみることにしました。調べてみるとけっこうでてくるものですね。

前回はコチラ

今回は1回目に引き続き平凡社の『哲学事典』から、「音楽学」の項目のノートです。



音楽について広く研究する学問の総称である音楽学。はたして哲学・思想的と同関連付けられるのか。みてみましょう。

  • 参考事典・ページ: 『哲学事典』(平凡社、1971)p. 200
  • 項目名: 音楽学
  • 執筆者: 不明
  • 文献案内: なし


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音楽学とは

  • 音楽に関する学問的な研究の総称

音楽学の問題点

  • だが現状では音楽史学が中心になりがち

音楽学の本来の在り方

  • 音楽学においては本来、音楽の原理的な諸研究、音楽史、民俗および民族音楽学などがそれぞれ体系的に研究されるべき
  • 音響物理学、音響学、音響生理学、音響心理学、美学、哲学、民俗学的・人類学的な研究、社会学も取り込まなけばならない
  • それらすべてを音楽学として統一的に捉え、研究していくことが課題


ずいぶんあっさりとした記述でした。ちょっと辛口な説明になってると思います。1970年代くらいまでの動向なので、ポピュラー音楽の研究への言及が少し弱い気がします。

この事典、たまに説明がこっけいなところがあって、たとえば、「哲学者」という項目を調べると、古来より怠け者を意味していた、みたいなことを書いてたりしています。

事典にはこのような、説明の特徴みたいなのがあって、それを読むのが事典を読む面白さではあるんですが、いま、音楽学を専攻されている方が、この平凡社の昔の事典を読んでどうお思いになるか、気になるところです。

次回は「音階」です。


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