「 NEW MUSIC 」一覧

僕たちは何度も同じようなガールズ・ロックに恋をする: Ribon Stage「Favorite Girl」

何度も何度も同じような音楽に恋してしまう(恋と言えるほど惹きつけられる) 経験は、ある程度履歴を積んだリスナーの誰しもが持っていると思います。どういったジャンルかは人によって違いますが、ガールズ・ロック好きなら、New York を拠点に活動するパンク・バンド、Ribbon Stage によって恋に落とされてしまうでしょう。何度目かの。

楽曲情報

  • タイトル:「Favorite Girl」
  • アーティスト: Ribbon Stage
  • リリース: 2020 年 5 月 1 日

くすんだエレキギターのコードストローク、もたついたグルーヴ、そしてアンニュイで透明感のあるボーカル。そして 8 月リリース予定のアルバム『My Favorite Shrine』からの先行シングル「Favorite Girl」は 1 分半という短さ。何から何まで完璧ですね。



ポピュラー音楽の境界を顕にするソウル: Moses Sumney『græ: Part1』

大人になると、新しい音楽を聴かなくなるという説があります。この「大人」というのが、何歳からかは、たとえば 28 歳とか、36 歳とか、諸説ありますけど、とにかく、歳を取ると、10 代の頃に聴いていた音楽ばかり聴くようになって、新しい音楽は聴かなくなる、と。それは半分は当たってますよね。だって、新しい音楽と言われたって、どれも、10 代の頃に聴いていた音楽の焼き増しに聴こえてしまうから。特に、音楽を真剣に聴いてきたリスナーに顕著な現象だと思います。新しく、注目される作品を聴いても、「あ、これが元ネタだな…」、みたいなのが耳についてしまう。だから、本当の意味で、自分にとって新しく、かつ、カッコいい音楽になかなか出会えなくなる。出会えるまでは、自分にとって慣れ親しんだ音楽を聴いておこう… そうして、だんだん、新しい音楽へのアンテナが鈍ってしまって、やがて、新しい音楽を聴かなくなってしまう。それが、28 歳だったり、36 歳だったりする。

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ふざけすぎ! だからクセになるヒップホップ: Digital Nas & Lil Yachty『The Lost Files 2』

出たての頃に比べてすっかり注目度が下がってしまった感のある Lil Yachty. 『Teenage Emotions』以降の Lil Yachty を見ていると, ヒップホップ・ゲームのなかで生き残ることの厳しさを, リスナー視点ではありますがひしひしと感じてしまいます.  続きを読む


ブラジルの女性歌手が挑戦する, トリリンガル・ミュージックの世界: Anitta『Kisses』

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2010年代最後に花開いた 10 代の闇: Billie Eilish『When We Fall Asleep, Where Do We Go?』

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Cuban Doll がミックステープ『Karma』をリリース

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