今回から、以前から学習していた「西洋音楽史」にまとめてみることにしました。
全体の目次はコチラです。
主な参考文献は以下の通りです。
- 片桐功 他『はじめての音楽史 古代ギリシアの音楽から日本の現代音楽まで』
- 田村和紀夫『アナリーゼで解き明かす 新 名曲が語る音楽史 グレゴリオ聖歌からポピュラー音楽まで』
- 岡田暁生『西洋音楽史―「クラシック」の黄昏』
- 山根銀ニ『音楽の歴史』
- 諸井誠『音楽の現代史』
- 久保田慶一 他『キーワード150 音楽通論』
このうち、冒頭に挙げた『はじめての音楽史 古代ギリシアの音楽から日本の現代音楽まで』を中心にしながら、次回より少しずつ西洋音楽史についてまとめていきたいと思います。
※ なお、本サイトの西洋音楽史は、音楽の非専門家である管理人が、独学で作成したものです。動画や洋記名の正確性には細心の注意を払ったつもりですが、誤りのないと保証はできません。この点をご了承の上、お読みください。
なぜ「西洋」音楽史なのか
さて、今回は「なぜ「西洋」音楽史」なのかについて、少し触れることにします。
通俗的には、「音楽史」というといわゆる「クラシック」を扱うものが多いです。しかし、音楽はヨーロッパ以外にも世界中に溢れ、そしてそれぞれ、文献に残されている/残されていないという事実を越えた次元で、「歴史」が存在します。ヴァルター・ヴィオラ Walter Wiora は『世界音楽史―四つの時代』 という著書のなかで、西洋音楽は世界音楽史という観点全体のなかのある特別な重要な位置を占めるにすぎない、と主張しているそうです。
20世紀以降、民族音楽学が発達し、西洋音楽以外の音楽も、高度な理論を有している音楽が世界各地に散見されている事例が数々報告され、音楽学 = 西洋音楽研究という、西洋音楽の牙城は崩れさったかのように思われます。
ただそれでも、「音楽史」と言った場合に、通俗的にはいわゆる「クラシック」が多く扱われ、そしてこれが基礎となって民族音楽研究が展開されている以上、そして日本の音楽学およびポピュラー音楽が西洋音楽の影響を多く受けている以上、先ずは通例的な西洋音楽史を一通り知識として獲得することは、必要なことだと考えられます。
つまり、「音楽史」は「クラシック音楽史」だけではないが、それでもクラシック音楽史 = 西洋音楽史について知ることは、音楽を愛好する者として、一度は避けて通れないものだということです。
では次回から、具体的に「西洋」音楽史を概観する前に、「歴史的にみた音楽の起源」まで遡って、西洋音楽史への道筋を取り上げていきたいと思います。というわけで、次回は「歴史的にみた音楽の起源」です。