新型コロナウイルスと「持続可能な音楽」について

(画像出典: https://en.m.wikipedia.org/wiki/Severe_acute_respiratory_syndrome_coronavirus_2#/media/File%3A2019-nCoV-CDC-23312_without_background.png)

新型コロナウイルス感染症拡大が、エンタメ業界に大きな経済的ダメージを与えています。音楽産業も例外ではありません。

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ポピュラー音楽の境界を顕にするソウル: Moses Sumney『græ: Part1』

大人になると、新しい音楽を聴かなくなるという説があります。この「大人」というのが、何歳からかは、たとえば 28 歳とか、36 歳とか、諸説ありますけど、とにかく、歳を取ると、10 代の頃に聴いていた音楽ばかり聴くようになって、新しい音楽は聴かなくなる、と。それは半分は当たってますよね。だって、新しい音楽と言われたって、どれも、10 代の頃に聴いていた音楽の焼き増しに聴こえてしまうから。特に、音楽を真剣に聴いてきたリスナーに顕著な現象だと思います。新しく、注目される作品を聴いても、「あ、これが元ネタだな…」、みたいなのが耳についてしまう。だから、本当の意味で、自分にとって新しく、かつ、カッコいい音楽になかなか出会えなくなる。出会えるまでは、自分にとって慣れ親しんだ音楽を聴いておこう… そうして、だんだん、新しい音楽へのアンテナが鈍ってしまって、やがて、新しい音楽を聴かなくなってしまう。それが、28 歳だったり、36 歳だったりする。

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50 ALBUMs of the Year 2019: Billie Eilish による時代の支配, あるいは復権へ向かうロック

2019 年はとにかく Billie Eillish の年でした. 彼女は本当に, 数年に一度現れる, メインストリームにおける突然変異というか, アルバムは本当に衝撃的かつ先鋭的で, しかも多くのリスナーに受け入れられました. ということで 1 位は BIllie です.

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ヒップホップとジャズの10年: 個人が選ぶ 10 年代のアルバム 100 選 -Albums of The Decade ’10s-

もうすぐで 2010 年代が終わります. 10 年代も本当にたくさんの素晴らしい音楽が生まれました.

音楽にとっての 10 年代を短くまとめると, ヒップホップとジャズの 10 年間でした. トラップやサウンドクラウド・ラップといったヒップホップの新しい潮流の勢いもあり, ヒップホップはロックを抜いてアメリカで最も「売れている」ジャンルになりました. また, 特に日本で人気だったのが,「Robert Glasper 以降」で括られたジャズです.『Black Radio』におけるヒップホップへ接近したジャズが話題を呼び, これを皮切りに, Robert Glasper 以外の同時代ジャズも注目を集めるようになりました. 続きを読む


個人が選ぶ 00 年代のアルバム 100 枚: Albums of The Decade 00s

2019 年は, 日本においては平成が終わり, 令和が始まった年でしたが, 世界的に見れば, 10 年代という一つのディケイドの終わる年でした. 10 年代が終わる…, これは 21 世紀が始まって 20 年もの年月が経過したことを意味します. 10 年代の終わりに, 10 年代を代表するアルバムを選ぶことは大切ですが, 21 世紀以降, どのような音楽が生まれたかを振り返ることもまた, 大切でしょう. 本記事では, 00 年代の名作・傑作アルバムを, ランキング形式で, 100 枚紹介します. 100 枚全て, 個人で選んでいます. 100 枚も選べたのはもちろん, サブスクというテクノロジーのおかげです. インターネットが完全にインフラ化した現在, インターネット上の意見を集約した「ベスト・アルバム」は, けっきょく誰もが予想がつくようなありきたりな内容になってしまいます. それよりも, クセの強い, 個人の選ぶ 100 枚のアルバムの方が, 興味深くなるはずです. 選考基準は,「10 年代の終わり」に聴いても名作だと思われること, それから, 10 年代に大きく影響を与えたと思われるものです. 続きを読む


WILD BUNCH FEST. 2019 2 日目レポート: 洋楽フェス好きが体験した, 初めての地方邦楽フェス

「令和」最初の夏. 改元イベントによって自分が日本人であることを思いの外, 意識させられてしまい, そうであるならこの令和最初の夏も, 日本のミュージシャンがメインの音楽フェスに参戦したいという気持ちが強まりました. 選んだのは「WILD BUNCH FEST.」. 続きを読む


10 周年ありがとうございます. 記事投稿の受付けをスタートします

「音楽について考える」がテーマであるなら, 「音楽するように, 書く」がモットー.  「音楽的・音楽論的」を運営するうえで心にとめてきたことです.

実現できたかどうかはなかなか答えは出せませんが, この 7 月で, 前身サイト含めると, 10 周年迎えることができました. 続きを読む


アニメ『キャロル & チューズデイ』から考える,「未来の音楽」の難しさ

2019 年春にスタートしたアニメ『キャロル & チューズデイ』.

『カウボーイビバップ』『スペース★ダンディ』を手がけた渡辺信一郎 (総監督) による新作アニメでテーマは音楽, しかも楽曲提供としてクレジットされているミュージシャンが, いわゆる職業作家ではないライブなどで表舞台で活躍する面々ということで, 一部アニメファンや音楽ファンの間で話題になっています. 続きを読む


楽制改革: 平安時代初期・中期における, アジア音楽の日本化

日本には古来, 日本以外の地域 (≒ 大陸) から影響を受けいていない歌・舞が存在していました. 一方で, 大陸との交流も当然ありましたので, 日本は古くから, アジア的な音楽をどんどん輸入していました. 平安時代中期以降は, アジア的な音楽をそのまま取り入れるのではなく, 日本の風土にあった音楽へ改変しようとする風潮がみられるようになりました. こうした平安時代における音楽の日本化 = 国風化の動きのことを, 楽制改革と言います. 平安貴族は教養として奏楽や舞楽に励み, 外来楽は分離・統合され唐楽と高麗楽へ 2 分されたうえで楽曲が整理・国風化されました. 現行の舞楽の曲名に, 承和楽, 仁和楽などの平安当時の年号が付けられているのはその証拠だと言えます. 続きを読む


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