音楽は、ただ聴くものではなく、考えるものでもあります。この芸術形式は、古代から現代に至るまで、人間の精神と文化に深い影響を与えてきました。しかし、音楽が持つこの深遠な力はどのように理解され、解釈されてきたのでしょうか?このブログ記事では、音楽に対する哲学的考察の豊かな歴史を探ります。特に、Stanford Encyclopedia of Philosophy の項目「History of Western Philosophy of Music: Antiquity to 1800」を参考にしながら、音楽の哲学史の概要を紹介します。
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西洋音楽史 まとめ
本サイトの西洋音楽史の記事をまとめました。目次として使用していただければと思います。
西洋音楽史 はじめに
古代ギリシア音楽 ( 10 ) まとめ
本サイトの西洋音楽史、特に古代ギリシアの音楽についてのまとめです。目次として使用していただければと思います。 続きを読む
古代ギリシア音楽(9)ギリシアの楽譜
西洋音楽史の出発点、古代ギリシアについての9回目です。今回は古代ギリシアの楽譜です。現在では「音楽は再現芸術である」とよくいわれます。そして「再現」のために欠かせないのが「楽譜」です。もしわたしたちが、古代ギリシアの音楽を再現したいと考えた際には、楽譜が必要になるでしょう。では、古代ギリシアの音楽作品の「楽譜」は現存しているのでしょうか。 続きを読む
古代ギリシア音楽(8): ギリシアの音組織
西洋音楽史の出発点、古代ギリシアについての8回目です。前回までで古代ギリシアにおける音楽理論家をみてきました。
- 古代ギリシア音楽(4)ギリシアの音楽理論家: ピュタゴラス
- 古代ギリシア音楽(5)ギリシアの音楽理論家: プラトン
- 古代ギリシア音楽(6)ギリシアの音楽理論家: アリストテレス
- 古代ギリシア音楽(7)ギリシアの音楽理論家: アリストクセノス
なお, 全体の目次はコチラです。
今回は、古代ギリシアではどのような「音」が使用されていたのか、古代ギリシアの「音組織」についてみていきたいと思います。 続きを読む
古代ギリシア音楽(7)ギリシアの音楽理論家: アリストクセノス
西洋音楽史の出発点、古代ギリシアについての7回目です。今回は、アリストテレスの弟子、前4世紀後半に活躍したアリストクセノスです。
ここまでのおさらいをしておくと、ピュタゴラス派に始まった西洋音楽理論は当初、「天体のハルモニア」という言わば神秘的な思想をふくんでいました。古代ギリシアの哲学者、プラトンはこの「天体のハルモニア」の思想を受け継ぎ、音楽と人間の魂の調和について彼独自の考え方を展開しました。プラトンの弟子であるアリストテレスは、プラトンよりも現実的に音楽論を展開し、「天体のハルモニア」という考え方を受け継ぐことはしませんでした。そして今回のアリストクセノスは、師であるアリストテレスの現実路線をさらに押し進めたのです。 続きを読む
古代ギリシア音楽(4)ギリシアの音楽理論家: ピュタゴラス
西洋音楽史の出発点、古代ギリシアについての4回目です。さて、前回まででムーシケー μουσικη という考え方から始まり、叙事詩、抒情詩、ギリシア悲劇と、古代ギリシアにおける音楽作品についておおまかに取り上げました。
今回からは、古代ギリシアにおける音楽理論についてみていききましょう。先ずは前6世紀に活躍したと言われるピュタゴラス Πυθαγόρας ( 紀元前582年 – 紀元前496年 )です。 続きを読む
古代ギリシア音楽(3)ギリシア悲劇
なお、当ブログの西洋音楽史関連のエントリーは、以下も参考にして下さい。
前5世紀になると、アテネが文芸の中心地になりました。アテネでは、悲劇・喜劇が発達しました。悲劇・喜劇は、音楽と舞踊が一体となった言わば「総合芸術」でした。 続きを読む