ヒップホップの中心地: アトランタ・ヒップホップ入門

先日, デビューアルバム『Teenage Emotion』をリリースした Lil Yachty. ここ 2 年くらいの US  の若手ラッパーで注目するべき人物の 1 人の Lil Yachty は, 出身こそ違いますが, アトランタ・ヒップホップのシーンの一員に数え上げられています. アトランタのヒップホップ・シーンと言えば, 日本でも知名度があるのは Migos でしょう. 昨年の話ですが,『ユリイカ』でさえ Migos Migos 言ってましたからね (笑).

もちろん, 周知の通り, アトランタのヒップホップは最近になって盛り上がった訳ではありません. アトランタにはアトランタのヒップホップの「歴史」というのが, ヒップホップ誕生と同じくして存在しています.

なお, アトランタは, ヒップホップに限らず, インディーロックやクラシック, カントリー, ブルースなどなど豊かな音楽シーンが形成されています. 1920 年代から 50 年代までは,「カントリーの中心地」とまで言われていたくらいですからね.

とは言え, アトランタの音楽シーンで近年注目されるべきはやはりヒップホップでしょう. アトランタのヒップホップは, 評論家からの評価という点でも, 商業的な成功という点でも, 特筆すべき音楽です. このことは, 2009 年にニューヨーク・タイムズ誌はアトランタをして「ヒップホップのセンター・オブ・グラヴィティ」だと表現したことからも明らかだと言えます.

さらにアトランタは, 多くの有名なヒップホップ, R&B, そしてネオ・ソウルのミュージシャンの出身地でもあるのです.

今回は, アトランタ・ヒップホップのトレンドというのは一旦置いておいて, 現在に至るアトランタのヒップホップの歴史について, 簡単に紹介します.

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黎明期: マイマミ・ベースの一形態

1980年代から90年代初頭にかけて, アトランタのヒップホップは, マイアミベースの一形態として特徴付けらてれます. その頃活躍したアーティストとしては, Kilo Ali, MC Shy-D, Raheem the Dream, DJ Smurf です. 特に MC Shy-D は, 1988 年の「Shake It」(prod. DJ Toomp) で, Bronx のオーセンティックなヒップホップ・スタイルをアトランタへ導入した人物として知られています.



同時期, Arreated Development が 1992 年に「Tenesee」でグラミー賞を獲得しました. 彼らは同じ年に 「Mr. Wendal」や「People Everyday」もヒットさせました. いずれも『3 Years, 5 Months & 2 Days in the Life Of…』に収録されています. Kris Kross も, ヒット曲「Jump」でグラミーを獲得しています. Tag Team は 1993 年にヒットアルバム『Whoomp!』をリリース. このアルバムには同タイトルのシングルが収録されています.

The S.W.A.T.S

90 年代も半ばになると、Outkast や Goodie Mob といった La Face Records のアーティスや, 制作集団 Organized Noise が台頭してきます. 彼らはダーティ・サウスというヒップホップのスタイルの発展に貢献しました. その結果, アトランタのヒップホップは,「ソウルの精神を有した風変わりなヒップホップ」という評価を得るようになりました. 1996 年頃には, Outkast や Goodie Mob の流行に伴い,「Southwest Atlanta, too strong」の略語である「The S.W.A.T.S」という言葉が使用されるようにまでなります.



クランクとレコードレーベル・シーン

90 年代終盤から 00 年代初頭にかけて, プロデューサーの Lil Jon が新しいヒップホップのサブジャンル, 「クランク」を台頭させます.

クランクの特徴は, アップビートかつクラブ特有のヒップホップ・サウンドです. 先述の LaFace は, 1980 年代終盤, LA Reid と Babyface によって設立されたレーベルですが, このレーベルは最終的に, TLC や Ciara, Tony Braxton といったヒット・メーカーを輩出するようになりました.

同じくアトランタに, 90 年代半ばにJermaine Dupri が設立したレーベル, So So Def Records は, Da Brat, Jagged Edge, Xscape, Dem Franchise Boyz らと契約, 商業的に成功します. LaFace と So So Def の成功は, アトランタのレコードレーベル・シーンを盛り上げました.

ヒップホップの中心地へ

先述の通り, 2009 年, New York Times がヒップホップにおけるアトランタの位置付けを次のように評価します. 「つまり, 2000年以降, アトランタはヒップホップの辺境地から重心へと移動した, と. そしてヒップホップのイノベーションの場は, サウスへと移行した」, と. Jermaine Dupri から Outkast, そして Lil Jon といったアトランタ・ヒップホップの流行は, ウェスト・サイドのハードコアサウンドにフロリダ由来のベース, そして北部のスタイルとイメージを混ぜ合わせた結果だと言えるでしょう. プロデューサーの Drumma Boy は, アトランタを「ヒップホップのメルティングポット」と表現しています. また, プロデューサーの Fatboi によると, アトランタ・ヒップホップで最も重要な楽器は Roland 808 で, 808 は, スナップやクランク, そしてトラップなど, 現在でもなおアトランタ・ヒップホップの幅広いジャンルで使用されています.



アトランタ・ヒップホップのオススメ楽曲

では本記事の締めくくりとして, ここまでで紹介したアーティスト, 紹介していないアーティストも含め, アトランタ・ヒップホップで聴いておくべきアーティストを紹介しましょう. これは聴いておけ, というのは, Ludacris, Ciara, B.o.B, Outkast, Young Jeezy, そして T.I. でしょうか. 今回はトラップについてほとんど触れなかったので T.I. !?!?? て感じですが, トラップについて紹介し始めるとアトランタ・ヒップホップにおさまらなくなるので, また別の機会に.

今回はアトランタ・ヒップホップについて紹介しました. 改めて聴いてみると, こう, 即物的な, 快楽的な音楽が本当に最高ですね. 今後もアトランタのシーンには要注目です!

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