ボーカロイドにラップをさせる、いわゆる、「ボカロラップ」あるいは「ボカラップ」を作るための手順・法則を、自分なりにまとめたものです。詳しくは、コチラを参考にしてください。
また、全体の目次は、コチラになります。
さらにまた、「ボーカロイドラップの作り方」に関連した音源を、bandcamp で公開中です。合わせて、御参考ください。
※前回はコチラです。
2.ボーカロイドラップの作り方(実践編)
では、「東京弁の発音に近い日本語ボーカロイドラップ」を目指し、音程に焦点を当て、どのように調声をしていけばいいのか。「1.フロウとは何か」で紹介した4つの型を、ボーカロイドで再現しながら、説明していきましょう。
「東京弁の発音に近い日本語ボーカロイドラップ」を作成するためには、トークロイド (※1) の基本的な技術が必要です。しかし、ボーカロイドでトークロイドを作成するのは、一般的にかなり難易度が高いと言われています。というのも、人間の喋る音程は、決して12平均律にぴったりおさまっているわけではないからです 。もう1つの理由としては、そもそもボーカロイドの声質が、歌のためにできており、喋るための声質ではないからです。ただそれでも、ボーカロイドを人間の喋りに近いように調声させることは可能です (※2)。し、そもそも本稿は、「ラップ」を作ることですから、しっかりした喋りを再現できなくてもかまいません。トークロイドの調声は、虹原ぺぺろん『ボーカロイド公式 調教完全テクニック』(ヤマハミュージックメディア、2013) などによると2パターンあり、1つ目が、「12平均律のノートのみで調声する」、2つ目が、「PIT ※3 を調整して調声する」です。本稿では、12平均律のノートのみで、トークロイドを作成することにします。
※1 トークロイド・・・トークロイドとは(トークロイドとは)[単語記事] – ニコニコ大百科
※2 わたしの聴いた範囲では、初音ミク発売年である 2007年の時点で、すでに初音ミクを使用したトークロイドが公開されています
※3 PIT ボーカロイドエディタのパラメータのうちの1つで、音程を変化させます。詳しくは、山口真『初音ミク V3 徹底攻略ガイドブック』(リットー・ミュージック、2014)を参考にしてください。
さて、具体的な作業手順を説明するために、例として1つの楽曲を挙げましょう。キングギドラ『公開処刑 ft. BOY – KEN』です。
全部を再現するのはさすがに労力が要るので、K DUB SHINE のヴァースの冒頭、有名なラインを作ることにしましょう。歌詞はボーカロイドらしく(?)、「鏡音レンとは同意見 あれば話し合う相違点」に変えます。というか「鏡音”レン”」と「同意”見”」ていう韻を踏みたいだけです。
なお、今回、ボーカロイド、というかわたしが所有しているボーカロイドに限られますので、初音ミク V3 にラップしていただくトラックはコチラです。
今回はここまで。次回はコチラ。