音楽は時として私たちの心を動かし、感情を揺さぶり、思考を刺激します。しかし、この強力な影響力はどこから来るのでしょうか? これまで「音楽の哲学史」シリーズでは、古代ギリシアの音楽思想から中世の音楽哲学に至るまで、音楽が持つ意味や役割について考察してきました。今回は、その続きとして、近世 (early modern) における音楽哲学の展開に焦点を当てます。近世において音楽思想は、音楽と感覚的快楽、そして表現の力が探求されるようになりました。では 15 世紀からの音楽に関する思考の変化を追いかけましょう(参考: History of Western Philosophy of Music: Antiquity to 1800)。
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[音楽書 近刊] 皆川達夫『キリシタン音楽入門: 洋楽渡来考への手引き』
中世・ルネサンス音楽の権威である皆川達夫が 2004 年に発表した, 640 ページにも及ぶ, キリシタンに着眼した日本における洋楽受容史の大著『洋楽渡来考: ―キリシタン音楽の栄光と挫折』. この『洋楽渡来考』には, DVD 付きの関連 CD ボックス (『洋楽渡来考』(2006) ) や, 続編の『洋楽渡来考再論 箏とキリシタンとの出会い』(2014) といった関連書籍があるのですが, 正直どれもけっこう高価でして, 貴重な資料でかつ音楽的にも楽しめそうなので, 手許に持っておきたいところですが, なかなか手軽に手を出せる値段ではありません. 続きを読む
【音楽書 近刊】ベルンハルト・モールバッハ『ルネサンスの音楽世界: テキスト、音、図像による新たな体験』
ドイツで, ラジオ放送を通して古音楽の紹介, 解説を続けているベルンハルト・モールバッハの翻訳書が『ルネサンスの音楽世界: テキスト、音、図像による新たな体験』が, 『中世の音楽世界―テキスト、音、図像による新たな体験』にひきつづき登場. 続きを読む
ルネサンス音楽 まとめ
西洋音楽史、特にルネサンス音楽についてのまとめです。目次として使用していただければと思います。 続きを読む
ルネサンス音楽(7)器楽
西洋音楽史、ルネサンスの7回目です。前回はコチラ。
本サイトの西洋音楽史全体の目次はコチラです。
今回でルネサンス期の音楽を取り上げるのは最後になります。今回は器楽がテーマです。以前、「ルネサンス(4)16世紀」でも述べたように、16世紀後半から器楽が徐々に盛んになってきたのも、ルネサンス期の音楽の特徴だと言われています。 続きを読む
ルネサンス音楽(4)16世紀
西洋音楽史、ルネサンスの4回目です。一口にルネサンス音楽といってもその間は15〜16世紀の200年程あり、そして音楽的特徴の変化は中世以前に比べ非常に豊かでした。そのため、今回から16世紀のルネサンス音楽がテーマになりますが、具体的に取り上げる前に、15世紀と16世紀のルネサンス音楽の特徴の差異を概観することにします。 続きを読む