オーストリアはウィーンに拠点を置き, 実験的っていうか前衛的っていうか, まあ, とにかく騒がしい・楽しい音楽を精力的にリリースしているレーベル, TROST Records.
これまでも何作か TROST からリリースされた作品を紹介してきましたが,
今回は新作ではなく, デジタル・リイシューされた SCROOGE『HipHop-Maschine』をレコメンド.
SCROOGE は 1992 年に結成され, 1998 年まで活動したウィーンのバンドで, Regina Ausserwöger (Vo., Violin) , Romeo Bissuti (Ba.), Oliver Stotz (Gt.) , Günther Castanetti ( Dr., Vo) の 4 人組. 4 枚のアルバムをリリースしていて, 『HipHop-Maschine』は 94 年の作品.
アルバム情報
- タイトル: HipHop-Maschine
- アーティスト: SCROOGE
- リリース: 1994 年
タイトルで「HipHop Maschine」とかついちゃってるから, ヒップホップ色の強い作品なのかと思いきや, はっきり言ってヒップホップ全然関係ありません. 基本うるさい, けどホントにカッコいい, そして後述しますがひたすらカワイイ, アートパンクです.
1 曲目からいきなり, おそらくベースか何かのカッティングかなにかのノイズと単調なギターのリフが 30 秒ほど続きますので, っこの時点でハードル高い人にとっては高いですが, ガマンして聴いていると, あれ, ボーカル女の子なんだな, しかも声可愛いな, ところどころ入るセリフもいいな, というふうに, どんどんハマっていきます.
どんどんはまっていける理由は, ヴァイオリンが取り入れられているというところにもあって, こういう音楽の場合, やっぱどのバンドも同じふうに聴こえてしまうきらいがあるんですけど, ヴァイオリン (もちろんノイズまみれです (笑)) が入るだけで, 全然, 他と違うな〜〜〜, てなります.
さらに, ヴァイオリンだけでなく, 4 曲目にはアコーディオンも取り入れられていて, 音楽的な偏差値の高さというか, 音楽偏差値が高いからこそノイズっぽい感じになっているんだな, というのがよくわかります.
けれど, はっきり言って録音レベル悪いし, 演奏も (おそらく超絶上手いからこそできる) デタラメで, なかなかふつう, こんな感じなのは聴くに耐えないのですが, たとえば疾走感のある 5 曲なんかを聴けば分かる通り, ちゃんとポップスとしての骨格をもっていて, かつ, ボーカルの声がめちゃくちゃ可愛いので, なぜか最後まで聴いてしまう. とても不思議な作品.
オススメ!