The Times 紙や The New York Times 紙で音楽批評を担当し, オペラ台本作家や小説家としても活躍, さらには『ニュー・グローヴ音楽辞典』編集スタッフの経験もあるイギリスの音楽評論家, グリフィス・ポールの著作『文化史の中の西洋音楽史』の翻訳が刊行予定.
翻訳は翻訳家, 通訳者であり, かつ国際的に演奏活動も行っている小野寺粛. 監修には『モダニズム変奏曲』(朔北社, 2005) や『シェーンベルクの旅路』(春秋社, 2012) の著者として知られる石田一志が名前として入っています.
グリフィス・ポールの現在までの翻訳書としては, 『現代音楽小史』(音楽之友社, 1984)『現代音楽』(音楽之友社, 1994)『ジョン・ケージの音楽』(青土社, 2003)など, 現代音楽よりのラインナップが中心. ですが, 今回翻訳された『文化のなかの西洋音楽史』は, 紹介文, あるいは目次からも分かるように, 西洋音楽の「始まり」から現代までがテーマになっています.
書籍情報
- タイトル:『文化のなかの西洋音楽史』
- 著者: グリフィス・ポール
- 出版社: 音楽之友社
- 発売予定日: 6 月 30 日
なお紹介文には,
「音楽の発祥から20世紀の音楽まで、西洋音楽の歴史を、現代音楽の第一人者が独自の視点で描いた画期的な一冊。音楽とは何か――この問いに答えるべく、著者は人間、文化、歴史といったコンテクストの中で、丁寧に西洋音楽の歴史を紐解いていく」
と書かれていて, いやがおうにも内容への期待が高まるじゃないですか. 既刊の西洋音楽史をテーマにした文献と読み比べてみるのも面白そうですね.