初めに断っておくが、今回の文章は相当キモい。いや、普段から充分キモいのだが、今回は今まで抑圧されていたキモさが大爆発、言い換えれば、私の中の そ に 欲 求(後述) = そ に イ ド (勝手に想像してください)がスーパーエゴをぶち破って噴出、〆ノレト夕”ウソしている文章になっている。キモいの大好き! という方のみ、ご笑覧いただきたい。
すーぱーそに子の《SONICONICOROCK Tribute To VOCALOID》。
これはそに子から俺へのヴァレンタインプレゼントだと思う(はい、1キモい)。
そに子は歌う。その歌声は、音楽への憧れを歌う。そに子の、年齢の割に幼く聴こえる歌声は、喜びに満ちている。と同時に、不安をも表している。何がか。音程と声質が不安定である。つまり、歌えていないのだ。
VOCALOID の魅力の1つである、非人間的な旋律を表現するには、そに子の歌声は、特に高音が不安定なのだ。ここから、喜びと不安という、アンビヴァレントが生まれている。だからこの不安定さは、 完 成 さ れ た 不安定さである。つまり、不安定のまま安定しているのである。そしてこの安定している不安定へと、そに子の憧れは向かう。そに子の喜びは向かう。向かう先が安定しているとは言え不安定だからこそ、そこへ向かう憧れと喜びは、単なる憧れと喜び以上の力を持っている。
さて、楽曲についてだが、まず VOCALOID 楽曲の魅力について確認しよう。これには、1.(前述した通り)VOCALOID にしか表現できない楽曲と、2. 機械でも「耳に馴染む」楽曲を作れる! という2点があるだろう。《SONICO ~》に採用された楽曲は、もちろん後者である(だってそに子は人間だし(はい、2,000,000,000,000キモい))。だから、楽理的に面白味はそれほどない(5曲目「フクロウのそら」だけ、ちょっと律動に冒険がある)。
だ か ら 、《SONICO ~》は純粋に 音 響 的な作品である。そに子の声を聴きたい、ただその欲求、すなわち そ に 欲 求 とでも呼べるそれを満たすためだけの作品である(そもそも、VOCALOID というツール自体が、音響的魅力しかない、とも言えるかもだが…、いや、そんなことないか)。
楽曲の完成度など、全く関係ない。ただただ純粋に、そに子の歌声に耳を済ませば良い。
今回、《SONICO ~》が発表されるにあたって、収録曲の原曲となる VOCALOID の楽曲を数曲聴いたのだが。ダメだった。どうしても。やはり、個人的には VOCALOID よりも、人間の歌った声の方が、好みに合っている。VOCALOID には言わば グ ル ー ヴ が な く 、生演奏と VOCALOID をミックスさせるとどうしても聴き慣れなさが生じる。もちろん、その聴き慣れなさを楽しむという嗜好もあろうが、俺はそこまで耳が肥えていない。
ただ、そに子の歌声素材の使われた VOCALOID が出たら、私もヴォカロ P を目指したい。