音楽はただ感覚的な美を追求するためのものなのでしょうか?それとも、言葉では伝えられない何かを語る行為なのでしょうか? あるいは、音楽そのものが一種の〈言表〉(musical saying)であり、何らかの意味を発する存在なのでしょうか? オーストリアの作曲家アントン・ヴェーベルン(Anton Webern)は、音楽を哲学的な視点から捉え、その本質を深く掘り下げました。
本記事では、J. Rimas ら「Anton Webern on the ‘Saying’ of Music”」(2024)【Amazon】をもとに、ヴェーベルンの哲学的な音楽観を解説しながら、音楽が果たす役割について探求します。
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