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ノイズの本質を探る: ジャック・アタリとポール・ヘガティの理論比較

三宅香帆『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』(2024)は、明治維新後のベストセラー史を整理きながら日本人の読書観を描出し、現代日本の読書スタイルを明らかにする読書論だと言えます。ただし本書は単なる読書論にとどまらず、「読書ができる生き方」を提唱しています。そのなかで「ノイズ」「半身で生きる」などいくつか重要な考え方が示されているのですが、この記事では特に「ノイズ」に注目したいと思います。というのも『なぜ働いていると・・・』における「ノイズ」は、本書において重要な位置を占めながら、そもそも「ノイズとは何か」が十分に議論されているとは言えないからです。

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