「 古代ギリシア 」一覧

リズムを哲学する: 古代ギリシアから現代ポピュラー音楽まで

音楽の世界において、リズムほど私たちの感覚に直接訴えかける要素はほとんどありません。リズムは私たちの日常生活に深く根ざしており、心拍、呼吸、歩行といった生理的なリズムから、社会的なスケジュール、自然界のサイクルに至るまで、あらゆるところでその存在が感じられます。では、音楽におけるリズムとは具体的に何を指すのでしょうか?また、それはどのようにして音楽の中で機能しているのでしょうか?

続きを読む

旋律が主導する音楽スケールの進化: 和声理論を超えて

音楽を愛する人々にとって、旋律と和声の関係はしばしば興味深い議題となります。音楽理論においては、長らく和声が旋律に対して優位であると考えられてきましたが、これは果たして普遍的な真実なのでしょうか?音楽がどのようにして進化してきたのかを理解するためには、この問いに答えることが重要です。最新の研究である「Melody predominates over harmony in the evolution of musical scales across 96 countries」(2024)という論文では、旋律が音楽スケールの進化において中心的な役割を果たしていることが明らかにされました。本記事では、この研究の詳細を紐解きながら、音楽スケールの進化に関する新たな視点を提供します。

続きを読む

古代ギリシャにおける音楽と哲学の結びつき

音楽はどこから来て、私たちに何をもたらすのでしょうか?それはただの娯楽なのでしょうか?それとも、もっと深い意味を持っているのでしょうか?こうした疑問は、現代だけでなく、古代ギリシャでも大いに議論されていました。『The Oxford Handbook of Western Music and Philosophy』の「Ancient Greece」Amazon】は、古代ギリシャの音楽に関する哲学的探求を紹介しており、その影響が現代の音楽理論や美学に及んでいることを示しています。この章を通じて、古代ギリシャの音楽がどのように哲学と結びつき、社会的・倫理的な影響を持っていたのかを深く考察してみましょう。

続きを読む

音楽の哲学史への招待

音楽は、ただ聴くものではなく、考えるものでもあります。この芸術形式は、古代から現代に至るまで、人間の精神と文化に深い影響を与えてきました。しかし、音楽が持つこの深遠な力はどのように理解され、解釈されてきたのでしょうか?このブログ記事では、音楽に対する哲学的考察の豊かな歴史を探ります。特に、Stanford Encyclopedia of Philosophy の項目「History of Western Philosophy of Music: Antiquity to 1800」を参考にしながら、音楽の哲学史の概要を紹介します。

続きを読む

ギリシア悲劇とピュタゴラス派について

最近、復習を兼ねて西洋音楽史関連の書籍を読み直しています。

今読んでいるのはコレ。



続きを読む


西洋音楽史 まとめ

本サイトの西洋音楽史の記事をまとめました。目次として使用していただければと思います。

西洋音楽史 はじめに

西洋音楽史 はじめに
今回から、以前から学習していた「西洋音楽史」にまとめてみることにしました。 全体の目次はコチラです。 西洋音楽史 まとめ ...
歴史的にみた音楽の起源 ( 西洋音楽史 )
前回のエントリーから、以前から学習していた西洋音楽史について、本サイト上でまとめることにしました。 さて、西洋音楽史を具体的に...
音楽理論の歴史的展開 ( 西洋音楽史 )
現在、本 web サイトでは、西洋音楽史についてまとめています。 前回のエントリーでは、「音楽の起源」について簡単にまとめました。 ...
続きを読む



古代ギリシア音楽(9)ギリシアの楽譜

西洋音楽史の出発点、古代ギリシアについての9回目です。今回は古代ギリシアの楽譜です。現在では「音楽は再現芸術である」とよくいわれます。そして「再現」のために欠かせないのが「楽譜」です。もしわたしたちが、古代ギリシアの音楽を再現したいと考えた際には、楽譜が必要になるでしょう。では、古代ギリシアの音楽作品の「楽譜」は現存しているのでしょうか。 続きを読む


古代ギリシア音楽(8): ギリシアの音組織

西洋音楽史の出発点、古代ギリシアについての8回目です。前回までで古代ギリシアにおける音楽理論家をみてきました。

 

なお, 全体の目次はコチラです。

今回は、古代ギリシアではどのような「音」が使用されていたのか、古代ギリシアの「音組織」についてみていきたいと思います。 続きを読む


古代ギリシア音楽(7)ギリシアの音楽理論家: アリストクセノス

西洋音楽史の出発点、古代ギリシアについての7回目です。今回は、アリストテレスの弟子、前4世紀後半に活躍したアリストクセノスです。

ここまでのおさらいをしておくと、ピュタゴラス派に始まった西洋音楽理論は当初、「天体のハルモニア」という言わば神秘的な思想をふくんでいました。古代ギリシアの哲学者、プラトンはこの「天体のハルモニア」の思想を受け継ぎ、音楽と人間の魂の調和について彼独自の考え方を展開しました。プラトンの弟子であるアリストテレスは、プラトンよりも現実的に音楽論を展開し、「天体のハルモニア」という考え方を受け継ぐことはしませんでした。そして今回のアリストクセノスは、師であるアリストテレスの現実路線をさらに押し進めたのです。 続きを読む


【スポンサーリンク】
スポンサーリンク