バロック音楽(2)オペラ

西洋音楽史、バロックの2回目です。

前回はコチラ

今回は、バロック音楽の特に声楽について取り上げます。バロック音楽の声楽で先ずトピックになるのが、「オペラ」Opera です。

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カメラータ

ルネサンス時代、イタリアでは、ギリシアの古典・諸学問の研究や、音楽と劇の振興を目的とした学術的サークルが各地に設立されました。

こうした学術的サークルの1つに、16世紀末にフィレンツェにできたカメラータCamerata(16世紀後半のフィレンツェの人文主義者や音楽家、詩人、その他の知識人が、ジョヴァンニ・デ・バルディ伯爵の邸宅に集って結成した)という集まりがありました。

カメラータのメンバーは、
  • ガリレイ Vincenzo Galilei (歌手、リュート奏者)
  • カッチーニ Giulio Caccini(作曲家)
  • ペーリ Jacopo Peri(宮廷音楽家。作曲家兼歌手)
  • ストロッツィ Barbara Strozzi(アマチュア作曲家)
  • リヌッチー二 Ottavio Rinuccini(台本作家)

などでした。

オペラの誕生

カメラータの話題は、音楽を中心に、詩、ギリシアの古典、占星術、諸科学など多分野にわたっていました。ただ、ギリシア古典学者メイとの交流を通じ、ギリシア悲劇を学んだことで、音楽に於ける歌詞の意味と言葉のリズムの重要性について知ったそうです。そこで彼らは、ルネサンスの多声音楽は歌詞を台無しにしている、と考え、言葉に即した新しい音楽様式「スティーレ・ラップレゼンタティーヴォ」あるいは「レチタール・カンタンド」を生み出しました。

「スティーレ・ラップレゼンタティーヴォ」「レチタール・カンタンド」は、歌詞の内容とリズムを重視し、歌いながらも話しているような、語りと歌の中間的性格の旋律を、通奏低音の和音で伴奏するものです。そして「オペラ」が、このような音楽をもとに、合唱等を随所に組み込まれながら誕生しました。

オペラの演劇的な起源

オペラの演劇上の基盤となったのは、ルネサンス時代の
  • マスケラータ(仮面劇)
  • パストラーレ(牧歌劇)
  • インテルメディオ(幕間劇)

などです。

これらは宮廷での祝祭で上演され、題材の多くはギリシア神話に由来し、音楽もふんだんに盛り込まれていました。

最初のオペラ作品

最初のオペラ作品は、ペーリ《ダフネ》Dafne(1598年)だと言われていますが、現在ではその大部分が失われています。

楽譜の現存する最古のオペラは、ペーリとカッチーニ共作の《エウリディーチェ》L’Euridice(1600年)です。

次回は「バロック音楽(3)ヴェネツィア派・ナポリ派」です。

参考文献

  • 片桐功 他『はじめての音楽史 古代ギリシアの音楽から日本の現代音楽まで』
  • 田村和紀夫『アナリーゼで解き明かす 新 名曲が語る音楽史 グレゴリオ聖歌からポピュラー音楽まで』
  • 岡田暁生『西洋音楽史―「クラシック」の黄昏』
  • 山根銀ニ『音楽の歴史』

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