平成のベスト・アルバム 10 枚 / 平成のベスト・ソング 10 曲

今年に入り, 平成の音楽を振り返る記事を何本か公開しました.

今回は, 平成をテーマにした記事として最後,「平成のベスト・アルバム 10 枚 / 平成の楽曲 10 曲」です.

こだわりのあるリスナーは, 年ごとに, ディケイドごとに, 気に入った音楽作品を 10 選なりなんなりで語りたがるものです. わたしも例外ではありません. こういうときに重要なのは, 流行したとか, 大多数に支持されるだろうとか, そういうのを一切考慮に入れず, 自分が本当に心の底から震えた音楽作品を並べるということです. 選んだ作品は, 有名ではないかもしれません, 時代を象徴するようなものではないかもしれません, 音楽ファンの間であまり評価が高くないかもしれません. にもかかわらず,「これだ」という 10 曲なりなんなりを選ぶことは, 自分がしっかり音楽を聴いてきたという, そういう証拠になると思います. また, その時代においてあまりスポットライトの当たらなかった, けど絶対に名作だ, と自信を持って言える, そういう音楽を後世に残す, ちょっとしたものであるかもしれませんが, きっかけになるはずです. そして…, 各リスナーが,「これを挙げているのは自分だけだろう」というふうに選ぶことで, 新たな音楽との出会うことができるのです.

今回, 本サイトが選んだアルバム 10 選, 楽曲 10 曲. 有名な作品もあれば, あまり知られていない作品もあります. ただ, どれもが, とても平成らしいと言えば平成らしく, かつ, 傑作ですし, 次の時代にも聴き継がれていくべき作品です.

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平成のベスト・アルバム 10 枚

1. 山本精一『Crown of Fuzzy Groove』(2002)
2. 田中フミヤ『Unknown Possibility vol. 2』(2000)
3. 松本昭彦『Preludes for Piano Book Ⅰ』(2016)
4. 三浦大知『球体』(2018)
5. 高岩遼『10』(2018)
6. 螢『ガラクタ』(1999)
7. VA『ゆるゆり デュエットソング集』(2014)
8. スーパーカー『スリーアウトチェンジ』(1998)
9. Dragon Ash『Viva La Revolution』(1999)
10. GEISHA GIRLS『炎のおっさんアワー』(1995)

音楽はどんどん, 年々カッコよくなっていってるな, ということで, 10 年代に入ってからのアルバムが 4 作品と最も多く, 昨年リリースされたアルバムも 2 作品選びました. いちおう, ランキング順に並べました. 1 枚目の山本精一は, 洋楽・邦楽問わず, 聴いてきたポピュラー音楽のなかで最も完成度の高い作品だと思います. インストゥルメンタルの, サイケ・ロック (あるいはトランス・ロックと言ってもいいかもしれません) なのですが, これを超える作品は, なかなか今後出ないのではないかと思います.

2 枚目に選んだ田中フミヤのセカンドもそれくらいの完成度だと思いますが, ミニマル・テクノということで, 一発でトべるというより, じわじわイける系ですね.

3 枚目に選んだのが松本昭彦によるめちゃくちゃインテリ具合の高い作品で, 客観的に完成度が高いというと, この作品が 1 位なんでしょうけど, なかなか難解で, すんなりは聴けないですね.

4 枚目, 5 枚目には, 昨年リリースされた作品を選びました. どちらも, ここ 3 〜 4 年の, 海外のトレンドを日本人流に消化して, 日本の音楽レベルをさらに次のステージに上げた作品です.

6 枚目は, 1999 年リリースの, 14 歳の少女によるポエトリー・リーディング. 前世紀末の, なんだかよく分からないけど, 退屈で不安な雰囲気 (実は不景気のせいなのだけど, そんなこと 10 代は気付けない) をすごくよく表していると思います.

同じ雰囲気をロックで表したのがスーパーカーなんですが, スーパーカーには不安はなくて, 退屈を退屈のまま受け入れ, それが日常であることを肯定していました.

そうした状況を打破しようとしていたのが, メロコアとヒップホップだったと思うんですが, この 2 つを上手いこと奪って自分のものにしたのが Dragon Ash でした (ただ, Dragon Ash が表現したかったような, 若者をアツく, 行動するような社会が到来するのは, 2011 年以降でしたよね. 震災によって半ば強制的に目覚めさせられてと言うか…).

7 枚目はアニメ『ゆるゆり』のキャラクター・ソング集なのですが, とてもアニメ作品とマッチしていて, 完成度が高い.

最後, 10 枚目に選んだのはダウンタウンが GEISHA GIRLS 名義でリリースしたアルバム. コントとか入っててとてもいいですよ.

平成のベスト・ソング 10 曲

1. Calm presents K.F「Shining of Life 」(2004)
2. 小泉今日子「あなたに会えて良かった」(1991)
3. Asa-Chang & 巡礼「花」(2001)
4. あかり&ちなつ「女と女のゆりゲーム」(2012)
5. Sakai Asuka「Teki Paki」(2013)
6. Sugar Soul「Garden ft. kj」(1999)
7. 三代目 J Soul Brothers「J.S.B LOVE」(2017)
8. 奥田民生「さすらい」(1998)
9. K Dub Shine「日出づる処」(2003)
10. Shiho Fujisawa「Music Rainbow」(2006)

楽曲の方もランキング順ということで, 意外と, 選んでみると有名な曲が多いんですが. 1 曲目は, 14 分を超えるハウスで, ゴスペル風のコーラスにジャズ風のピアノソロが本当に美しく, さらに, 人生を讃える歌詞がグッとくる 1 曲. 2017 年にリミックス・バージョンがストリーミングからでも聴けるようになったのですが, やはりイチバンは 2004 年にアナログで出たバージョンですね. CD へはアルバム・バージョンとして収録されています.

2 曲目は…, 本当は YEN TOWN BAND「Swallowtail Butterfly 〜あいのうた〜」を選んでいたのですが, 最近, 小泉今日子のこの曲を思い出して, 同じ小林武史作曲で, こちらの方が名曲だな, と思って, 選びました. 煮え切らないメロディーと, シンプルだけど奥深い歌詞が, とても軽快なリズムで歌われていて, なんとも言えない切なさがありますよね.

3 曲目は, 映画『けものがれ, 俺らの猿と』のサントラに収録されていて知った楽曲. ポエトリー・リーディングのようで, ただ, タブラと発話のリズムというかタイミングというかが一致しているので, ポエトリーでもない気がしますし, とても不思議な楽曲です.

4 曲目に選んだのは, アニメ関連ということで, アニメ『ゆるゆり』の, いわゆる, キャラクター・ソングなんですけど, 本当にアニメの世界観を上手に表していて, かつ, 楽曲としての完成度も高い, 名曲です.

5 曲目のアニメ関連,『ゆゆ式』のサウンドトラックからなんですが, これは, アニメとか抜きにして, インストゥルメンタル曲として非常に完成度が高いですね.

6 曲目, 当時, 音楽は新しい時代が到来したのだなぁ, と思わされた名曲. メロディーと歌詞のテーマはすごく普遍性があると思います.

7 曲目も, J-POP の進化を見せつけられた感がありますね. EDM Trap を J-POP へ落とし込んでヒットさせるなんて, EXILE グループしかできないですよね.

8 曲目は, 昔から奥田民生が好きで, 奥田民生のなかでも名曲だな, と強く思うので選びました.

9 曲目, 10 年代以降, 一部でカルトと化しているネトウヨ的雰囲気を, 10 年前から醸し出していたという点で, これはスゴい, 平成にとって重要な 1 曲だと思います.

最後, ゼロ年代の渋谷系なんですが, 単純にスゴく楽しくて, 踊りたくなるような楽曲で, 普遍的な魅力があると思いますので, 選びました. ちなみにこの楽曲は, レコードでしか聴けません.


ということで, 選んでみたら, 意外と有名な楽曲ばかりで, 意外と年代的にばらけたかな, という感じですが, 選びながら…, 最近の楽曲でもぜんぜん, カッコいいの多いな, と思いましたね.

それで, いま, この 30 年のなかで, カッコいいと思える日本の音楽が, 今後 30 年で, どう評価が変わっていくのか, 楽譜に残しにくいのもあるので, どうなるかな〜, と思うところですが, いまから 30 年前の 30 年前, 1960 年代の音楽でも, 楽譜に残しにくいのもありましたし, そういう音楽でも現在に残ってますよね. そういう点で, 今回選んだアルバム, 楽曲も, 今後 30 年, 残っていってほしいな〜, と思います.

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