アメリカで、過去半年間の旧作アルバムの売り上げが、新作アルバムの売り上げを上回ったそうです。これは初めての現象だとか。
これは仕方ないことだと思いますね。「アルバム」っていう商品形態自体が、過去のものになりつつありますし。
というか、「アルバム」が過去のものになりつつあるというよりも、、「アルバム」はレコードとか CD とか音楽媒体によって副次的に生まれた形式だとワタシは考えています。レコードとか CD が廃れていく今、アルバムっていう表現方法も古くさい一過性のものになりつつある、っていうことです。
ワタシ自身は CD 世代なので、アルバムという表現方法はスゴい好きなんですけれども。好きなポピュラー・ミュージシャンの「アルバム」が出たらやはり気になりますし、もうこれは一種の「アルバム」信仰とでも言うべきかもしれません。
ただやっぱりオリジナル・スタジオ・アルバムなんていうのは、一過性の表現方法でしかない、というのは事実で。よく「ベストアルバムの乱発」とかって揶揄されますけど、じゃあ、オリジナル・アルバムを作れば業界としての音楽が盛り上がるのかと言えば、決してそうではない、っていう。
これから若い世代のミュージシャンは、どんどん「アルバム」なんていう古くさい 800 MB に縛られた表現方法を捨てて、もっと面白い表現が出てくるのではないかなあ、とワタシは楽観視しています。
余談ですが、高校生の頃、桑田圭祐の「サザンのアルバム作るよりはシングルたくさん作ってベスト出した方が良い」みたいな発言を雑誌で読んで、当時アルバム信仰者だったワタシは「なんじゃそりゃ? ヤル気ないんか?」と思ってたんだけど、10年経ってようやく理解できました。