よく歴史の本で、ある年に世界と日本それぞれ何が起きたか比べられる年表がありますよね。ある同じ年にどういった出来事が起きたか世界と日本で比べられる年表の、音楽版というのがあれば面白いなと思いつきまして。ただし、日本の音楽と世界の音楽を比べるのではなく、同じ年に発表されたクラシック (現代音楽) とジャズ、ポップス、ロック、ヒップホップを比べる、みたいな。
それを年表にしてしまうと、インターネット上で見るのは厳しいものがありますので、1 つの記事につき、1 年ずつ、同じ年に発表された音楽を、ちょっとまとめて、聴き比べられるようにしてみようではないかと。
というのを思いつきまして、現在、「20世紀を聴き比べる」と題して、1 記事につき 1 年ずつ、ある年に発表された音楽を聴き比べることのできるシリーズを公開しています。
今回は第 6 回、1906 年です。
1906 年のクラシック音楽
まずはクラシック。クラシック曲において「この年にはこの楽曲!」と断言するのは難しいのですが、この点に関しては、初回の記事のクラシックの項目を参考にしてください。
では、1906 年のクラシック曲を聴いてみましょう。
- マーラー『交響曲 第 6 番 イ短調』(1903 〜 07、初演 1906 年)
- E. ヴォルフ・フェラーリ『4 人の田舎者』
- イタリア・ブッフォ様式のオペラ
- H. プフィツナー『キリスト者になった妖精』
- 初演はドレスデン、1917 年
- シェーンベルク『15楽器のための室内交響曲』ホ長調 op. 9
1906 年のポピュラー音楽
つづいて、ポピュラー音楽。
こちらも、作曲年なのか、出版 (発売) 年なのか、あるいはレコーディング年なのか、あるいは流行年なのか、が、1 つの楽曲において異なっていて、なかなか単純には言えません。
また、1906 年ピンポイントとなると、確証的な資料が手元になくてですね…
とりあえず、以下の 3 サイトを参考にして、「流行した」上位 3 曲を紹介します。
「The World’s Music Charts」より
- Bert Williams「Nobody」
- Billy Murray「The Grand Old Rag」
- Harry Lauder「Stop Your Tickling Jog」
「playback.fm」より
- Bert Williams「Nobody」
- Billy Murray「The Grand Old Rag」
- Harry Lauder「Stop Your Tickling Jog」
「MusicVF.com」より
- Billy Murray「The Grand Old Rag」
- Byron G. Harlan「Wait ‘Till the Sun Shines, Nellie」
- Bert Williams「Nobody」
どうやら Bert Williams「Nobody」と Billy Murray「The Grand Old Rag」がヒットしていたのは間違いないようですね。
シェーンベルクは無調音楽を始めた人物として重要視されていますが、改めて無調期前の音楽を聴くと、これはこれでカッコいいですね。個人的には無調前の方が好きかもです。
そしてシェーンベルクの後に Bert Williams を聴くとモノ凄い安心感がありますね。