3 期放送直前! アニメ『ゆるゆり』1 期・2 期楽曲 勝手にベスト 50 ( 10 〜 6 位 )

10 月よりスタートするアニメ『ゆるゆり』3 期. 『ゆるゆり』は, 純度の高い百合作品であると同時に, 卓越したユーモア性を併せ有つクオリティの高い作品ですが, アニメ関連でリリースされる音楽もまた作品に負けじと劣らず高クオリティです. わたしは, 『ゆるゆり』がきっかけでアニソンの世界を知ったと言っても過言ではありません.

ということで, 前回に引き続き, 現在リリースされている『ゆるゆり』関連のベスト 50, およびそのレビュー, いよいよトップ 10, 先ずは 10 位 〜 6 位です. 前回まではコチラ.

これを書きながら気付いたのですが, なぜ 77 曲にしなかったのかと反省中です. 書き終わったらあと 27 曲追加して, 77 曲ランキングという, いま以上に気持ち悪い何かを書いてやる. いや, 3 期のキャラソン出揃ったくらいのタイミングでいいかな.

本当にするかどうか分からない. と, 宣言をしたところで. 音楽レビューという文章ジャンルの性質上, これ以降は本当に気持ちの悪い駄文が並んでいますので, ブラウザを閉じていただけると幸甚です.


【スポンサーリンク】
スポンサーリンク

10. きらいいっぱい×すきいっぱい

正直に言うと, 櫻子も, 加藤英美里もあまり好きではない. というか苦手だ. いや, 向日葵との対立の劇的さがやわらいだ以降の櫻子は好きだ ( 逆に向日葵はあまり好きではなくなった. なぜかというと, おっぱいが小さくなったから ). 特に大室家の姉妹における立ち位置がはっきりし, かつ, 京子と比べられるようになった以降の櫻子は好きだ. 施設に預けられるかどうか微妙なラインの知性で女子中学生ライフを堪能する櫻子. それくらい残念なのに関わらず, ( おそらく ) 姉の影響でファッションだけは 1 年生のなかでちなつといい勝負なくらいいい感じの櫻子. しかもよく見ると美人さんだ. あれ? もしかして櫻子はいいのではないだろうか. 加藤英美里も正直苦手なのだが, ただ, 『ゆるゆり』声優のなかで トップを争うほど出演作の本数が豊富で, しかも, キュウべぇから ( 『がっこうぐらし!』の ) 太郎丸まで ( いまあげら 2 つの例は両方とも人間じゃないけど, ) とその役柄の幅から演技の実力は相当なものである. んー, でもやっぱ苦手なんだよねえ, 櫻子も, 加藤英美里も. もしかして他のキャラソンとあまり遜色のない楽曲なのかもしれない. ゆえに, つまり, あまり好きではないキャラクターの楽曲であるのに, そこそこいいので, これほどの, トップ 10 に入るほどの高評価なのかもしれない. いやでも違う. この楽曲は本当に素晴らしい. 先ず耳を奪われるのは, コードに沿った上昇形の歌メロのフックにつづいた, ( おそらく ) ハーモニカか鍵盤ハーモニカかの音色の単純で分かりやすいメロディーと, この手のキャラソンにしては複雑かつグルーヴィな 4 拍子のビートだ. これは, 櫻子の知性の単純さと, その裏に隠れていない行動の読み難さを表しているのだろう. その後は, A メロ, B メロ, サビと, 要所要所にセリフを挟みつつ, 単純な歌メロで, バックトラックの上モノ ( この楽曲の場合はピアノで, カントリーっぽさが楽しい ) で面白さを追求している, という割ともう聞き飽きたパターンの曲調で, 聴きところと言えば, A メロでの加藤英美里の歌唱の安定性と, B メロでの歌詞に呼応するためか櫻子から一瞬素の加藤英美里が顔を覗かせる, という程度である. いや, 程度である, というのは表現が悪い. 一気にここまで書いてしまったが, これだけでも聴くに価する楽曲だ. 要するにいつもの安心の『ゆるゆり』楽曲クオリティーである. しかしこの楽曲の真髄は, 間奏のセリフパートにある. この点は誰もが異論なく認めるところだろう. そしてこのセリフパートが, 他の楽曲の追従を許さない. セリフの内容は向日葵への dis と言えば, ゆりゆらーでなくてもその辺のオタクなら直ぐ気付くだろう. 簡潔に言って, おっぱいへの恨みつらみだ. 加藤英美里が「おっぱい反対!」を連呼するというだけで, オタクのなかには充分ご褒美な者がいることは確実だ. しかし決定的なのは「おっぱい削げ」である. 「おっぱい削げ」. 意味不明だが, しっかり理解できる, これほどのパンチラインを書けるのは, この楽曲の作家だからだろうか. 違う. 櫻子の楽曲だからだ. 櫻子がこのパンチラインが書かせたのだ. 櫻子が現れたのだ. 櫻子とは何かと問われたら筆者は, この楽曲を迷うことなく差し出すだろう.


9. 背景

1 期のあかりのキャラソンのカップリングだが, カップリングならではの遊び心が詰まっている. そしてその遊び心で, 筆者はキャラソンのスゴさを知った. この楽曲は, アニソン・キャラソンの魅力を知るきっかけになった楽曲のうちの 1 つだ. 打ち込み主体のトラックは, ミドルテンポで, エッヂの効いた音色が印象的だ. A メロはポエトリーリーディングともラップともとれない, 「ただリズムに乗せて喋っている」歌唱. 早口ではないので, 言葉の 1 つ 1 つがはっきり聴き取れる. 言葉の 1 つ 1 つがはっきりと聴き取れるゆえに, 声優による歌における表情・演技が試される. のだが, とにかくみかしーの演技がスゴい. ときに楽しそうに, ときにけだるそうに, ときに不思議そうに, 歌詞に対応して声に表情をつけていく. これは声優にしかなしえない技だろう. 1 回目のサビのあとに, ブリッジになる部分がある. このブリッジが聴きところだ. 歌詞ではなく音楽でゆるゆりを再現している箇所だからだ. ブリッジでは, トラックの雰囲気が一変する. それまでの打ち込み主体のエッヂの効いた音色は一旦停止し, 代わりに聞こえてくるのは, しっとりとしたピアノの伴奏だ. 同時にあかりが, 友だちへの感謝を述べたいと言う. この部分は完全に「喋り」である. キャラソンの途中で友だちへの感謝を述べたいだなんて実に, アカリエルの異名をもつあかりちゃんらしい発想だ, と, リスナーは期待するだろう. そして, これまたしっとりとした素朴で分かりやすいメロディーで以って, ごらく部への感謝を歌う.歌詞は, 「みんなのくれた愛に, 満たされている …」という具合だ. しかし, SE によってすべて掻き消される. 要するにそれまではっきり聴き取れていた歌声を, あえて SE で掻き消し, 聴き取れなくしているのだ!!!!!初めて聴いたときは, 本当に驚き, 笑ってしまった. このブリッジは, あかりの「不憫な子」, というのを, 音楽で表しているのだ. なお, 歌詞の内容が物語とつながっているとは言い難い. たとえば 2 番目の A メロで「うまい」という言葉が出てくるのだが, あかりちゃんは「うまい」なんて絶対に言わない.またサビでは「思い出を作ってることさえいまは気付かない」という箇所は「おいおいサザエさん時空に思い出もクソもねえよ」と言いたくなるところだ. この点だけが, この楽曲の非常に残念なところである. また, 2 期のあかりのキャラソンに比べ, 不憫扱いされすぎではないか, という意見もあるだろう. キャラソンではなくアニメだが, 2015 年現在の原作でのあかりの立ち位置を勘案すれば, 1 期の最終回であかりをドラム缶に突っ込み川に落としたスタッフを筆者は絶対に許すことができない. と, このような不満がある. が, この楽曲は, みかしーのキャラソンを歌うという側面での技量, および, ブリッジでの歌詞に頼らずに音楽的にあかりの不憫さを表現したこと, この 2 点の素晴らしさは, そのような不満を吹き飛ばすくらい素晴らしい.


8. ハッピータイムは終わらない

この楽曲が発表された時期, わたしたちユルユリアンは, 非常に繊細な心持ちでいた. その原因は主に, 「アニメ 3 期」はあるのか ? という関心にあった. 当時を思い出そう. 2014 年 2 月, 新作アニメの制作が発表された. この「新作アニメ」という言い方が非常にクセ者で, 3 期とは限らないからだ. 大方の予想通り, その新作はOVA ( およびそれに先行する劇場上映. 公開は 11 月 ) だった. OVA という在り方もまた非常に微妙で, 多くのファンにとっては動くごらく部を新作で観られるというだけで喜びをもって迎えられただろう. 一方で, もう 3 期はないのではないか. ゆるゆりはもうニ度と地上波でレギュラー新作放送がなく, 以後, アニメは OVA のみで, 徐々に, もしかして, いわゆるオワコンになっていくのではないか… . OVA とは, そういった微妙な心持ちにさせるものである. OVA 先行上映に先立つ 4 月. 新作アニメーション制作が発表されてそれほど間もない頃, 『ゆるゆりずむ♪ 2』に新曲「ハッピータイムは終わらない」が収録れていることが明かされ, 楽曲の一部が公開された. 新曲のタイトルからは, 新作アニメが制作されるから「終わらない」という表現を用いようという意図がはっきり読み取れる. しかし前述の通り, OVA という微妙な形態であるため, 「終わらない」は事実であるとともに, 多くのファンにとっては「終わらせたくない」という願望, 『ゆるゆり』はアニメも含めずっとずっと続いてほしいという願望でもまたあったのではないだろうか. 願望とはこれまた非常に繊細で, 願望はまだわたしたちの手の中にない. それは未だ存在しない, いわば不安である. しかし現実としては, OVA という新作が確実な未来であると保証されている. 不安のなかの保証. 保証のなかの不安. このようにファンの気持ちがどっちつかずの浮遊感のなか, 5 月に発売されたベスト盤に収録された新曲は, 見事にファン心理 = 浮遊感を表している. 先ずは曲調をおおまかにみてみよう. 「レッツラブ〜」で打ち出された, ユーロビートとハードロックをミクスチャーさせた高速ダンスチューンである「ハッピータイムは終わらない」は, 切り裂くようなシンセが確実に耳に悪い派手なアレンジだ. 歌メロは「大冒険!」以降らしく, 非常に単純で, 歌詞も聴き取りやすい. また, 要所要所に挿入されるセリフ, 間奏の寸劇といったアニソンらしさが楽しい. しかしこの楽曲の真の魅力はそうしたところにはなく, 決定的には冒頭から高らかに歌われるサビのメロディだ. サビの出だしのメロディーは,  V sus 4 の構成音が中心で, この sus 4 というのは, ポピュラー音楽では楽曲に浮遊感を与える常套句として使用される. ただ, V sus 4 に一瞬導音が挿入され, 浮遊感と同時に, 主音への解決という安定感もまたこのメロディーは有している. サビの後半では「楽しくなるの」で一気に主音がオクターブ上まで上昇し一瞬力強さが与えられるが, 「ハッピータイム」の「ム」で第 6 音へ落ち着くことでこの「タイム」がマイナーであることを予感させる.しかしその次の「きっと」で, 属音から主音へと上昇し, この時点で「きっと」はまだ確信されてはいるが, しかしそのつぎの「つづいていくから」は第 6 音から始まるマイナー調のメロディーとなる. このようにみていけば, この楽曲のサビのメロディーが, 当時のファンの「不安のなかの保証」という, 非常に微妙な心理を表しているというとが分かるだろう. 他の楽曲が, 登場人物や物語をネタに作られたのに対し, この楽曲のみが, ファンの心を表しているのである.


7. 乙女日和☆

『ゆるゆり』の世界観は, 原作とアニメで細かな相違点があるものの, 女の子しか登場せず, かつ, サザエさん時空ということで, はほとんど現実とのつながりを持たない. それはファンタジーに限りなく近い. しかし限りなく近い, ということは, わたしたちの現実と確実な接点を持っているということだ. その接点とは, 魔法を使わないとか, モンスターが出てこないとか, 動物が喋らないとか, そういった分かりやすい点にはない. しかしもっと細かく物語を追っていけば, はっきりするはずだ. そしてそのはっきりした接点が, 吉川ちなつである. アニメでは 2 期 8 話, 原作では 6 巻「Special★4」. これはちなつと結衣がデートをするというエピソードなのだが, このエピソードの終盤, ちなつは心のなかでポツリの次のようにつぶやく.「女の子同士だとおかしいのかな…」. このセリフは, たとえ女の子しか登場しなくても, 『ゆるゆり』の登場人物が異性愛がマジョリティを占める世界に住んでいることの証左だ. このセリフによって, 『ゆるゆり』という女の子しか登場しないファンタジーが, 異性愛の存在するわたしたちの現実と接点を持つのだ.そしてその現実を受け入れ, それでも結衣先輩の前で乙女であること. これはもう, 女子中学 1 年生にとっては覚悟と言っていい. いや, 女子中学生でなくても, 覚悟だ. 乙女であるという覚悟. 『あのね!』という究極のアイドル・ソングで魅せたパーソナルに秘められた開放性に対し, ちなつがちなつ自身の内面ととことん向き合い獲得した, 乙女という覚悟が, その宣言が, この『乙女日和☆』なのである. だからメロディーは単純で分かりやすい. A メロ, サビを通じてメロディーが単純で繰り返しているのが多いのは, 言葉をダイレクトに届けたいからだ. 言葉をダイレクトに届けるために, トラックのアレンジも比較的優しい音色になっている.聴きどころは, 2 回でてくる「あきれちゃう? 思い止らない」と, 「困らせてみたくなっちゃうよ」の 3 箇所だ. ここの部分で, 歌唱は曲中で最も高いノートに達する. このノートで, ちなつの声は保たれず, ほとんど素のるみるみが現れる. 声が変質してしまうことで, 歌詞が聞き取りにくくなる. この 3 箇所が, 楽曲のなかでいちばん歌詞が聴きとり難いところだ. 要するに, 楽曲中でメロディーが最も強調される = 高音部分において, メッセージ性の強いこの楽曲の歌詞が最も聴きとり難いということだ. これは最後の最後で内面を秘密にしたいという, ちなつという乙女の乙女性の発露である. と同時に, ちなつにおける乙女の乙女性の発露と同時に, るみるみが聴く者のまえに現れる. ちなつが「女の子同士だとおかしいのかな…」という『ゆるゆり』では異形ともとれるセリフを心の中でつぶやいたことで物語と現実が接点を持ったように, この楽曲において最も強調された部分においてちなつとるみるみが接点をもつのだ.


6. Precious Friends

これはもう完全に個人的に思入れのある楽曲で, ただその内容についてはけっこうプライベートな内容であり, 気軽にあーだこーだとブログに書けるようなものではない. が, それで終わってしまってはレビューでもなんでもないので, ぼやかしぼやかしその思入れとやらを, プライベートな内容とやらを書いてみようと思う.さて. もう何年前かは忘れたが, わたしはそれまでしていた仕事をやめ, 新しい職についた. それまでしていた仕事については, 学生のアルバイトの頃から関わっていた業界であり, 職種であったので, それなりに思い入れがあったのだが, しかし会社が気に入らず, また別に憧れていた仕事があったので, 辞めた. 新しい職は憧れていた業界であったため, 転職当初は毎日楽しかったが, 徐々にあれそれおかしくない? みたいなことが, 前の会社以前に積み重なっていった. そのおかしくない? の内容は, とてもここでは書けない. その「おかしくない?」の積み重ねと, とある決定的な出来事とで, 筆者は数か月もしないうちにその転職先を辞めた. 憧れは失望に変わった. 仕事以外では, それまで長く同じところに住んでいたが, 環境も新しく変えたくなった. 現住所に引っ越すことにした. 引っ越すにあたり, 長く住んでいたところこではあるが, あまり行っていないところがあったので, 1 ヶ月ほどぷらぷらと自転車であちこち周った. 要するに無職で時間を持て余していたのだ. そうだ, 思い出した. ちょうど『ゆるゆり』2 期が放送されていた時期だった. 同時に, アニソン・キャラソンの魅力にも気付き始めた時期で, この楽曲もそのときに知ったのだと思う. iPod に『ゆるゆり』の楽曲を入れ, シャッフル再生し, 自転車でぶらぶらし, ちょうど通っていた大学の近くの商店街に差し掛かったとき, この楽曲が流れたことを覚えている. 別に歌詞にリンクするような学生時代ではなかったが, 勝手に思い出が捏造され, なんとも言えない気分になった. 引っ越し先へも途中まで自転車で行くことにした. ていうか東海道を自転車で走りたかった ( 日本橋からスタートし, けっきょく名古屋で諦めたが ). 前の前の職場は東海道沿いにあるので, いやがおうにもその前を通らないといけない. 前の前の職場を少し通り過ぎたところで, 当時の顧客がわたしの自転車より少し前を歩いていることに気づいた. わたしは特にあいさつも何もせずに彼女を追い越した. そのときにかかっていたのも, この楽曲だ. 仕事の内容と, 歌詞の内容が少しリンクしていたような気がしないでもない. ---, この曲はミドルテンポの落ち着いた音色の楽曲で, タイトル通り, 学校での友だち・時間の貴重さを歌っている. いちばんすきな箇所は, B メロで「なんでもないような日々が幸せなのはなぜか」, という疑問を呈し,「暖かい空気が気持ちいいからわからなくてもいい」, と応える, あの感じだ.



いかがでしたか? いかがでしたか? じゃねえよ!!!!! ていう感じですが, 次回からいよいよ 5 位 〜 2 位です!


【スポンサーリンク】
スポンサーリンク

シェアする

フォローする

関連コンテンツとスポンサーリンク

【関連コンテンツとスポンサーリンク】



【スポンサーリンク】
スポンサーリンク