現行の MPC シリーズ (MPC X、Live 2、One) は強力な音楽制作ツールで、これ一台で音楽制作を完結できるほど、何でもできてしまう機材です。私はこれを形を持った DAW と呼んでいます。
何でもできてしまうのですが、使い込んでいるうちに、「これはできないのか?」という点がいくつか見つかります。この記事では、MPC ではできないことを紹介します。
ちなみに 2023 年 3 月時点で最新のファームウェア、2.11において MPC Live ではできないことです。できないことは発見次第、追記します。今後、ファームウェアのアップデートで可能になるかもしれません。
シーケンス単位での音量のオートメーションは書けない
シーケンス単位では、音量のオートメーションを書けないようです。
例えば楽曲ができてアウトロをフェードアウトで終わらせたい場合は、アウトロに該当するシーケンスをオーディオへバウンスして、音量オートメーションを書くしかないようです。
MIDI の書き出し
MIDI の読み込みはできますが、書き出しはできません。
代替としては、拡張子 mpcpattern のファイルへ書き出し、パソコンの MPC のソフトウェアで読み込み、パソコン上で変換する方法があります。
要するに MPC Live 2 単体では MIDI ファイルを書き出す機能はありませんが、パソコンと連携させると出来なくはない、ということです。
シーケンス内での BPM の自動変更
シーケンス別に BPM を変更することはできますが、シーケンス内で変更することはできません。
別の言い方をすれば、BPM のオートメーションを書くことはできません。
1 小節未満のシーケンスを作り、異なる BPM を設定するしかありません。
シーケンスのオートメーションを書けないことへの不満は、フォーラムでも話題になっています。
私も、シーケンスのオートメーション機能は実装してほしいですね。
ソングモードでフィンガードラム
できません。
シーケンスを切り替えながらフィンガードラムをする場合は、ネクストシーケンスモードを使うしかないようです。
ネクストシーケンスモードを操作しながらフィンガードラムをするとなると、手が塞がりどうしてもフィンガードラムの手数が少なくなります。
シーケンスの順番を予め決めておいてそれに合わせてフィンガードラムをする場合は、ドラム以外のトラックのシーケンスをソングモードでまとめた上でオーディオなど書き出すしかありません。
シーケンスをアドリブで行き来するには、メイン画面で、データダイヤルでシーケンスを切り替えるしかないようですが、限界があるかな、というのが正直なところです。
ただ、シーケンスを書き出してパッドにアサインしたり、クリッププログラムを活用するなど、工夫の余地は十分あります。