現行 MPC (X、Live 2、One、ファームウェア 2.11 )でできてしまう意外なことを紹介します。
便利な裏ワザから意味不なナゾ機能まで、「形を持った DAW」として、パーフェクトな音楽制作機材として名高い、深遠な MPC の世界へようこそ…
オーディオインターフェイスを使える
現行の MPC は、それ自体、パソコンと接続してオーディオインターフェイスとして使うことができます。が、MPC にオーディオインターフェイスを繋げてることもできます。
これによって、オーディオ入力・出力ともにチャンネルが増え、MPC はより強力な音楽制作ツールへ変貌します。
例えば MPC Live 2 は XLR 入力がありませんが、XLR 入力のあるオーディオインターフェイスを Live 2 へ接続すれば、マイクを XLR 入力で録音するなどができるようになります。
ただ、Live 2 の場合、内蔵スピーカーが使えなくなります。何とかしてくれ。
また、オーディオインターフェイスの種類によっては、ノイズがヒドく、ライブパフォーマンスで扱い難いケースもあります。オーディオインターフェイスの設定で解消できることもあるかもしれませんが、私の場合、YAMAHA AG-03 で試したところ、ノイズがヒドくて使えたものではありませんでした (MPC が AG-03 を認識はしました)。
USB ハブを使える
Live 2 の場合、USB ポートが 2 つあるのですが、1 つを外部ストレージ、1 つをオーディオインターフェイスで使うと、MIDI キーボードを接続できなくなります。
ですが、パソコンのように USB ハブを使えばこの問題も解消します。
パソコンかよ!
MIDI の読み込み
ドラムプログラムなどと同じ要領で、ブラウザ画面から外部ストレージなどに保存した MIDI ファイルを読み込みことができます。特殊な設定は必要ありません。
ただし、MIDI への書き出しはできないようです。できるようにしれくれ。
特定のパッドを反復させながら、他のパッドでフィンガードラムをする
クリッププログラムの裏ワザ的な使い方です。
クリッププログラムは、パッド単位で Toggle か One Shot かを設定できます。また、ミュートグループやクオンタイズ、そしてサンプルのワープをオフにできます。
反復させたい素材をアサインしたパッドだけ Toggle に設定し、他のパッドは One Shot に設定、そしてミュートグループ、クオンタイズ、(ワンショットサンプルの) ワープをオフにすれば、特定のパッドをループさながら、他のパッドでフィンガードラムをすることができます。
パッドから出ている音を別のパッドで停止する
ドラムプログラムにおいて、サンプルをアサインしていない = 空のパッドと、サンプルをアサインしているパッドを、ミュートグループやターゲットミュートでまとめると、サンプルをアサインしたパッドから出ている音を、空のパッドを叩くことで止めることができます。
音階 1 つ 1 つに異なるサンプルを使って、鍵盤で演奏できる
音色が一つ一つ鍵盤によって違うピアノをイメージしてください。ドの音はピアノ、レの音はバイオリン、ミの音はギター… みたいな夢の鍵盤楽器がほしいと思ったことはありませんか? 現行の MPC ではそれが可能です。キーグループのパッドプログラミングから設定できます。
キーグループでは、ユーザーが用意したサンプルを仮想の鍵盤へ割り当てて、音階を生成することができます。
これを設定する際、キーグループ内にさらにグループを設定するのですが、仮にこの、キーグループ内のグループをここではサンプルグループと呼びましょう。そのサンプルグループを 1 鍵盤 1 サンプルグループに設定すると (データダイヤルをがらがら回したらできます)、1 鍵盤ごとに違うサンプルを割り当てることができます。
結果、音階 1 つ 1 つに異なるサンプルを使って、1 つの鍵盤で演奏できます。
誰がこんな設定するんだ、て感じですが。
MIDI ノートのランダム自動生成
Q-LINK で特定のプログラムにだけリアルタインでエフェクトをかける、みたいなみんながしたいことの設定はかなり面倒臭いのですが、一部のモノ好き電子音楽愛好家しか使わないだろ、というような機能は、割とさささっとできたりします。
それが MIDI ノートのランダム自動生成です。
トラックの鉛筆マークを押すと、ランダマイズのアイコンがありますので、それを押すと MIDI ノートを自動でランダムに配置できます。ランダム具合はパラメータがあるので調整できます。
もちろん、ランダムに自動配置された MIDI ノートを再生した音楽はなんとも奇怪で、趣があります。
これも誰が使うんだ、しかも音階ごとに異なるサンプルを使った鍵盤を作る、に比べてはるかに単純な手順でできるのですが、個人的には好きな機能ですので、ファームウェアをアップデートしてもいつまでも残しててや、と思う次第です。