ウエストランド M-1 勝因は、「毒舌」だけではない

M-1 は毎年、リアルタイムで観ている訳ではないのですが、いちおう、チャンピオンはネットニュースなどで確認します。それから、これまたネットニュースなどを読んで評価の高そうな組の漫才を YouTube で観ます。なんでこんなことをするかというと、だから、リアルタイムで視聴しないかというと、単純に、いま住んでいる地域、M-1 がリアルタイムで放送されていないからなんですね。

あとは、その、リアルタイムでどうしても! くらいのお笑いファンで、正直ないんですよね、だったらなんでこの記事を書いているんだ、ていう話なんですが。

ていうね。ていう、地方住みのテレビ視聴事情はとりあえず脇に置いておくとして、今年の M-1 、優勝、久しぶりに面白かったですね。めちゃくちゃ笑いました。正直、ここ 2 年、錦鯉と、その前の、あれ、何でしたっけ、マジカルラブリー、あの 2 組は全然、笑えなかったんですが、2 年分ぶり? 3 年ぶり? に M-1 決勝、ファイナルで心の底から笑いましたね。

とろサーモンも面白かったし、霜降り明星も最高、ミルクボーイなんて最高を通り越して上昇だったわけですが、ちょっとね、その後が理解に難しかったですね。M-1。

そこへ来て今年、ウエストランドですよ。優勝したのが。観ましたよ。リアルタイムで観れないから、YouTube の漫才だけの配信を。

もう、笑いましたね、今回、ウエストランド。めちゃくちゃ面白かったです。

それで、今回、ウエストランドは「強烈な毒舌」が「誰も傷つけない笑いへのアンチテーゼ」として、イマという時代に結果的にマッチしてしまった、みたいな、SNS では賛否両論を巻き起こしそうだけど、お笑いのプロからすると「賛・賛・賛」みたいな、そういう評価のされ方で優勝した、ていう論調が多そうなんですが、私はちょっとそうではないのではないか、というか。

観ていてですね、「毒舌」だけに注目が集まるのは、かなり私としては違和感がありますね。

感想の感覚として近いのは、かまいたちなんですが、

やっぱり井口ですよね、その井口が毒舌、悪口をまくしたてるのですが、そのまくして方が面白いんですよね。

かまいたちは上記の動画の中で指摘しているのですが、井口のセリフがいちいち多いんですよね。「フライヤー」「フライヤー」て何回言うんだよ、みたいな。そこに不条理があって、それが笑えるんですよね、毒舌そのものがそれ自体として面白いのではなくて、毒舌の表現方法が面白いと言うか。

「あるなしクイズ」の答えとしても不条理で、「皆目見当違い」とか、そもそも「あるなしクイズ」の答えが「皆目見当違い」というのが不条理過ぎて面白いし、「皆目見当違い」を何回も言うのが M-1 決勝の漫才として「皆目見当違い」で面白いし、「皆目見当違い」もそうなんですけど、「不条理なフライヤー」とか、その言葉がそこで使われているのが「不条理」だから。あるなしクイズの答えが「皆目見当違い」なのは不条理だし、あるなしクイズの答えが「不条理なフライヤー」なのも不条理だから。

要するに「何を言ってるんだこの人は」と、言葉選びのセンスで、そう思わせておいて、からの、連呼。不条理な。「不条理なフライヤー」て何回言うんだよ、ていう、不条理に不条理を重ねた、だから笑えるんですよね。

あとはですね、やっぱり「ライブ感」ですね。ウエストランドには唯一、ライブ感があった気がしました。M-1 の視聴者、そして現地の観客とのコミュニケーション、これを大事にして、要するに、観ている人との関係性が見える漫才でしたね。

他の組は自分の世界観を見せるぞ! ていう感じでしたが、それはそれで悪くないのですが、観客を巻き込んでの、テレビ視聴者を巻き込んでの漫才というのは、特に M-1 という舞台では、冒険的だった、しかもそれでいて面白かったと。

だからですね、ウエストランドの優勝、その内容ばかり、つまり、悪口ばかり注目されていますが、ウエストランドの力量はそこだけではないでしょう、と言いたいですね。ウエストランドが仮にすべて褒め言葉のようなコンビになっても、絶妙な間とワードセンスで、わたしたちを笑わせてくれそうですよね。

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