洋楽文化史研究会代表幹事を務める戸ノ下達也 ( 専攻は近・現代日本音楽史 ) による『〈戦後〉の音楽文化』が, 1 月 25 日に発売予定. 著者はこれまでに, 『日本の合唱史』, 『音楽を動員せよ―統制と娯楽の十五年戦争 (越境する近代 5)』(いずれも青弓社) などを発表しています.
書籍情報
- タイトル: 『〈戦後〉の音楽文化』
- 著者: 戸ノ下 達也
- 出版社: 青弓社
- 発売日: 1 月 25 日( 2016 年 1 月 2 日現在の予定日 )
洋楽文化史研究会の web サイトに, 「「戦後の音楽(仮)」の刊行について」が掲載されています.
敗戦70年を迎える今年は、戦時期や敗戦後の社会を問う論議や動きが活発です。
玉音放送と降伏文書調印をもって戦争が終結し、戦後がスタートしたということは一面事実ではありますが、本当に「戦争は終わった」のでしょうか?
私には、戦争の時代の矛盾や解決されない課題が、先送りされ、またタブー視されたまま70年が経過していると思えてなりません。「戦後70年」と一括りに総括されることにも違和感を感じます。戦時期から戦後に継続する様々な問題が存在していることも考えあわせると「敗戦70年」と捉えるべきでは、と思えます。
明治期以降の、日本の音楽の歴史ひとつとっても、戦時期の音楽文化の様々な問題が考察され、戦後への継続も意識されて紐解かれるようになったのは、1990年代以降のことと思います。そしてまだ解明されていない歴史の空白もたくさんあります…
( http://yougakubunkashi.gozaru.jp/ より引用. 2016 年 1 月 2 日アクセス )
出版社の紹介文は, 以下の通り.
戦後、音楽は人々を励まし、楽しませ、生活に根づき、広がり、多様化・細分化してきた。戦前から占領期、復興期、高度経済成長からバブル崩壊、失われた十年、そして現在にいたる歴史の歩みとともに、音楽文化の豊かな可能性が花開いてきている。
敗戦70年を契機にして、これからの音楽を考える素材を手に入れるべく、本書では時代を象徴する事象と音楽の関わり、転換点になった歴史的なイベント、教育現場や市民生活で育ってきた合唱・演奏文化、ポピュラー音楽の展開、劇的に変化してきたメディア環境などから、基本知識100項目を選んでコンパクトに解説する。
( 青弓社 より )
著者既刊
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戸ノ下達也・横山琢哉 編『日本の合唱史』( 青弓社, 2011 )
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戸ノ下達也音楽を動員せよ―統制と娯楽の十五年戦争 (越境する近代 5)』( 青弓社, 2008 )