【超絶ネタバレ有り】『バガボンド』、『リアル』を経ての『SLAM DUNK』: 映画『THE FIRST SLAM DUNK』は「「井上雄彦」史」として観るべき

公開初日、THE FIRST SLAM DUNK を観てきました。以下、観賞直後の勢いで書いたメモ書き感想。

超絶ネタバレ有りなので要注意です!

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物語の概要

主人公は宮城リョータ

  • リョータの生い立ちから
  • リョータは沖縄県出身
  • 父親が亡くなったところから始まる
  • 兄 (ソータ) がいて、その影響でバスケを始める
  • 兄の背番号は 7 番。ちなみに兄もめちゃくちゃバスケが上手い
  • その兄も、海難事故で亡くなる
  • (いや母親の気持ちよ…)
  • 兄の死亡後、一家で神奈川へ引越し
  • 引越し先では、中 1 のときに三井に会い、ストリートで交流があった
  • 試合は山王戦

といったところでしょうか。

山王戦後のエピソードも描かれていて、沢北がアメリカへ留学。留学先には宮城リョータも。ガード対決!

試合シーンはカッコいいぞ〜!!!

フル CG の試合描写、スピード感があってめちゃくちゃカッコよかったです。TVアニメ版とは大違い。私はこっちの方が好きですね。動きもかなりリアルでしたよ。桜木飛びすぎでは!? と思うところもありましたが、そこはアニメですからね。現実離れしている描写もないと、アニメである理由がないです

映画の進行

映画は、最初は宮城リョータの父が亡くなり、兄も亡くなり、というところから始めるのですが、割と早い段階で試合のシーンもスタートし、そこから試合の合間合間に、登場人物の過去が描かれていきます。

だから、試合一辺倒というわけでも、物語が時系列に並んでいるわけでもないので、見飽きなかったですね。

映画開始して、しばらくして山王戦だと分かったは一気にテンション上がりましたね。山王メンバーが動いているところが見れて本当に感動しました。

彩子がかわいい!

あと彩子がめちゃくちゃ可愛い!

彩子がとにかく可愛かったです!

本当にもう、それだけで観る価値があります!

ちょっと物足りなかった点

映画の構成は難しいですね

ただ、やっぱり、各登場人物の過去エピソードを盛り込みすぎ気味なところは気になりました。もうちょっと削っても、それこそ、リョータだけに絞り込んだりね、しても良かったんじゃないかな、と思います。

ただ、やっぱり、試合を描く上で、盛り込む必要のあるエピソードだったんでしょうね。

例えば、映画の進行上割と早い段階で始まる試合で、山王がいか強くて、湘北がいかにぽっと出のチームなのか、マンガを読んでいたら分かるんですけど、映画初見の場合はちゃんと説明されないと分からないですよね。

で、登場人物やチームの過去エピソードで、その説明をするのですが、「そこいるかな?」ていうのがやっぱりありましたね。

リョータと山王の因縁は「そうきたか!」と感心したんですが (ちなみにリョータの死んだ兄が、大事に持っていたバスケ漫画の表紙が山王だった)、沢北という人物をそこまで深掘りする必要はあったのか? とは思いした。

最後、沢北留学エピソードいるのか? て。

ただまあ、山王のメンバーのエピソードも深掘りしていかないと、原作も TV アニメも知らない、映画から観た人には山王というチームが何がなんだか分からないですからね。なんか、ただ強いっぽいんだけど、主人公チームに逆転負けしただけみたいな、中身空っぽな集団に思えてしまうかもしれません。山王メンバーのエピソードを深掘りないと。原作を知らない人からすると。

どうですかね、桜木のちょっとした過去とか、三井とリョータが実は早い段階で会ってたみたいなのはあまり描く必要はなかったのかもしれませんね。

だったらもっと、リョータが湘北に入ってからのエピソードがほしかった、と思うんですが …、エピソードの配分が難しいですね。

ちなみに今回の映画だけだと三井が部活に戻ってきた理由は分からないし、唐突感ありますよね。

削られているシーン

山王戦の原作内での描写でも削られているところはたくさんあって、例えば前半はほとんどカットでした。あと、魚住の桂むきもカット。ていうか魚住いませんでした。あとは桜木が負傷してから復活する際の「好きです。今度は嘘じゃないです」もカット。

ただ、先述の通り、試合シーンはめちゃくちゃ良くて、漫画が実際に動いたらこんなスリリングなんだ、とただただ驚きましたね。どうやって作ったんでしょうか? メイキングが気になりますね。

全体的に映画としての構成が散らかっている感は否めない

それでちょっと話を戻しますが、試合を進めつつ、合間合間にリョータを中心とした登場人物の過去エピソードを挿入するという形式のこも映画において、映画を構成する物語をどう配置するかは、スゴい難しいと思うし、人によって印象は違うと思います。

これで良かったという人もいるだろうし、ちょっとわちゃわちゃしてるな、と思う人もいるだろうし (私です)、物足りない! もっと三井のエピソードほしい! と思った人もいるでしょう (いると思います)。

この辺は人それぞれでしょう。

声優はもっと頑張って!

ちなみに声優だけは、声優だけはわたしはいただけませんでした。

それ以外は概ね満足です。

SLAM DUNK の映画、必見です!

観た方が良いですよ。映画『THE FIRST SLAM DUNK』。面白かったです!

「「井上雄彦」史」という視点で観るべき

ここからはちょっと、もう少し大きい視点で、感想を述べますが、けっきょく、やっぱり、井上雄彦という作家が、どういった作品を生み出してきたのか、井上雄彦とは? みたいな視点から感想を述べるべきかもしれないですね。

井上雄彦は『SLAM DUNK』だけでなく、『バガボンド』『リアル』といったヒット作も生み出しています。

『バガボンド』『リアル』を経ての『THE FIRST SLUM DANK』という視点でこの映画を観ると、やっぱり、シングルマザーの悲哀みたいなね、そういう社会問題的なところも大切になってくるわけです。

『リアル』では車椅子バスケを通じて社会問題に深く切り込もうとしていますし、そして、『バガボンド』では、本位田又八とその母・お杉との関係みたいなね、そういうところを経ての、今回の『THE FIRST SLAM DUNK』なんですよ。そう思い返すと、「井上雄彦、えいな〜」と思うわけです。

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