イントロの長さから言うと、髭男やあいみょんはサブスク時代のヒットとしては異例

「サブスク時代にはイントロが短くなる傾向がある」という統計があるようです。

タケイマコトさん (@pcefancom) のツイートによると、

インターネット白書、読んでいくと面白い。
サブスクが流行りはじめて、 楽曲の前奏は短くなった。

・1980年代まで前奏や平均約20秒
・2019年には平均5秒までに短縮

サブスクだと5秒程度で25%離脱、30秒で更に34%が離脱する。
もはや歌い出しが肝心。
ブログ以上に厳しい世界だ。

とのこと。

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J-POP におけるヒット曲とイントロ時間の関係

『インターネット白書 2020』をまだ読めていないので、ちゃんとしたことは言えないところではありますが、そうなると、J-POP 限定で言えば、official 髭男 dism「Predenter」やあいみょん「マリーゴールド 」はサブスク時代には異例のヒットだと言えるでしょうね。両方とも 20 秒ありますし。瑛人「香水」も 16 秒ありますのでけっこう長いですよね。5 秒に比べると。

King Gnu「白日」は 0 秒。イントロなしで歌から始まりますね。

けっきょく、全体的な楽曲の特徴としては、イントロが短い傾向にあるけど、それとヒットするかどうかはあまり関係がない、というところでしょうか。

作り手は好きなように音楽を (たくさん) 作ればいいし、聴き手は好きなように音楽を聴けばいいんですよね。

洋楽のイントロ事情

洋楽だと、どうでしょうか。Lil Nas X「Old Town Road」は、2 秒でスキット的な「ん〜〜〜」みたいなのが入りますけど、歌い出しは 11 秒ちょっと、ですね。20 秒に比べたら、確かに短いですね。

Billie Eilish「bad guy」も、2 秒くらいでスキット的な声が入って、実際の歌詞が入るのは 11 秒とか、それくらいですね。

Post Malone「Sunflower」も、2 秒くらいで「エ、エ〜、エ〜〜〜」て入って、実際の歌詞が入るのが 20 秒くらいなんですけど、そうなると、実際に歌詞を歌い出すと言うより、何か、スキット的な声が入るのが 2 秒、みたいな、そういう感じですかね。

モチーフ、リフ、ループ

音楽において、人の耳を惹きつけるのは何も声だけではありません。もちろん。ポピュラー音楽も同じです。たとえばロックであればリフは、声以外で、楽曲の世界へリスナーをグッと引き込む役割を持っています。

有名なリフは例えば、ローリング・ストーンズ「Satisfaction」だったり、Jimi Hendrix「Purple Haze」、Aerosmith「Walk This Way」なんかがますが、これらの楽曲のリフは、歌よりも有名かもしれませんね。

クラシックだと、リフは「モチーフ」になります(本当は逆ですが。つまり、「モチーフ」のロック版がリフと言えます。両者は楽曲において全く同じ役割を担っているわけではありませんが)。有名なのは Beethoven『運命』ですね。

リフやモチーフは、ヒップホップやダンスミュージックなどクラブ系のジャンルになると、ループになります。EDM だと、(いわゆる・J-POP で言うところの) サビがシンセ・フレーズのループになったりしますね。Billie Eilish「Bad Guy」は、EDM 的なサビの手法を用いてますね。サビでは歌われず、耳に残り易いシンセのフレーズをループさせています。

このように、歌という手段以外でも、リスナーの耳を惹きつけることはできますし、EDM の例なんかを考慮に入れると、まさに現在形でそういう、インストゥルメントの部分でリスナーのアピールする手法はとられていると言えます。

そう考えると、いきなり歌から始まってリスナーの耳を惹きつけようとするのは、アーティスト側はやや怠慢なのではないか、というと言い過ぎですかね。あるいは、統計の分析がやや甘いのかもしれないですね。

サブスク時代のポピュラー音楽の特徴

サブスク時代の楽曲の特徴って、イントロの短さよりも、楽曲自体が短くなっている、という点の方が重要だと思いますね。サブスクの配信業者が、アーティストに、どういう仕組みで売り上げを決めているのか分かりませんが、とにかく、アーティスト側としては、数多く楽曲を配信していると、そのうちどれかは当たるだろう、と。それで、CD やレコードを制作するのに比べ、配信は、数多く楽曲を発表しやすい。サブスク以前だったら、じっくり 5 分くらいに膨らましていたけど、サブスク以降、3 分とか 2 分とかでも、形になったらとりあえずリリース、みたいな。そういう傾向は強いと思いますね。


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