本能を刺激する 2021 年型ダンスミュージック: Guedra Guedra『Vexillology』

いまがどんな時代で、どんな世界なのかは関係なく、わたしたちは優れたダンスミュージックには反応してしまいます。身体が反応し、踊ってしまうのです。

物心つくかつかないかの子どもの頃は、リズム性の有しているの音であれば何でもよく、とにかく踊ります。

少し成長して、大人になって、人前でリズムを取るのが恥ずかしい年齢になって、そういった素振りを見せられなくなっても、自分の芯を食うダンスミュージックに出会ってしまうと、身体を動かさない代わりに、内臓が熱くうずくような感覚に支配されてしまいます。

それは本能なのです。

ただ、ヒトは成長するにつれて、「恥ずかしい」とはまた別の、感情に支配され、音へ踊りを通じて服従しなくなります。その感情とは、退屈や馴れです。

ある時期に身体が反応してしまう音であっても、何度も経験を繰り返すうちに馴れてしまい、その音が退屈に思え、躍らなくなってしまう。

それは個人でもそうだし、集団でもそうです。

ある個人が、あるジャンルのダンスミュージックがめちゃくちゃ好きだったのに、いつの間にか飽きてしまった。あるいは、ダンスミュージックには流行り廃りそして進化があります。

昔流行ったダンスミュージックなんかを聴くと、やはり、どこか安っぽく、「これはこれでアリ」といったような反応の仕方になってしまう。

これは決して、本能を通じての身体の反応ではなく、一度、思考というフィルターを通しての反応なので、動物的な芯の部分での踊りではありません。

ダンスミュージックファンなら、つねに渇望している、あの、本能的に踊れる瞬間。それを求めて・求めて、たくさん音楽を聴いて、飽きて、違う、違う、これじゃない! と、探し続けてようやく・偶然出会える音楽。

Guedra Guedra 『Vexillology』はまさにそういった作品で、2021 年のダンスはこの作品にかかっていると言っても過言ではありません。

ジャンルとしてはトロピカル・ベース。ここ 20 年のベース・ミュージックを土台に、トライバルまではいかなくて、あくまでややチルい感じを残した、だから、トロピカルなエッセンスが散りばめられた極上のダンスミュージック。ダンスミュージックは、音楽はまだまだ進化する。

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アルバム情報

  • タイトル: 『Vexillology』
  • アーティスト: Guedra Guedra
  • リリース: 2021 年 3 月 9 日

トラックリスト

  1. Seven Poets
  2. Stampede Step
  3. Complementariness
  4. When I Run
  5. Cercococcyx
  6. Clapping
  7. The Arc of Three Colours
  8. Archetype
  9. People’s Cabaret
  10. Aura
  11. 40 Feet
  12. Berber Is An Alien
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