バロック音楽(15)ヘンデル

西洋音楽史、バロックの15回目です。前回のエントリーでは、バロック期に活躍した音楽家としてバッハ Johann Sebastian Bach を取り上げましたが、今回はヘンデル Georg Frideric Handel を取り上げます。

【スポンサーリンク】
スポンサーリンク

1.生い立ち

ヘンデルの出身は、ドイツのハレで、生まれた年は、バッハと同じ1685年です。

バッハは音楽家の家系でしたが、ヘンデルの家系には音楽家はいませんでした。しかしヘンデルは、少年時代から音楽の才能を発揮していました。

そしてヘンデルは、8歳でドイツの作曲家・オルガン奏者であったツァハウ Friedrich Wilhelm Zavhow に師事し、オルガン、チェンバロ、バイオリン、オーボエと、作曲を学びました。

2.大学卒業後

ヘンデルは、大学(ハレ大学)では法律を専攻しました。この後、1703年からハンブルグ・オペラのヴァイオリニストと、通奏低音奏者をつとめました。ハンブルグでは、最初のオペラ《アルミーラ》 Almira が初演されました。

3.イタリア滞在

1706年〜10年まで、ヘンデルはイタリアに滞在し、

コレッリ Arcangelo Corelli 、スカルラッティ父子(アレッサンドロ・スカルラッティ Alessandro Scarlatti が父、ドメニコ・スカルラッティ Domenico Scarlatti が子)と会いました。ここでは、イタリア語のカンタータ、オラトリオを作曲・上演しました。

4.イギリスへ

1710年にはヘンデルは、ドイツに戻り、北ドイツにあるハーノファーの宮廷楽長に任ぜられました。

この後、休暇をとってイギリスへ渡りました。

イギリスへ渡った後、ヘンデルはロンドンで、オペラ《リナルド》Rinaldo 初演を行いました。

12年からはいよいよ、イギリスを本拠として、次々とオペラを作曲・上演しました。

1719年には、オペラの上演団体であるロイヤル・アカデミー・オブ・ミュージックを設立します。ここでは、自作のオペラを中心に上演しました。しかしこの運営は、イタリア人歌手の出演料がかさんだり、競争相手ペープシュ Johann Christoph Pepusch による《乞食オペラ》The Beggar’s Opera に人気を奪われ、1728年には運営が行き詰まってしまうことになりました。

5.オラトリオ

1732年、ヘンデルは自作のオラトリオ《エステル》Esther を改作し、舞台にのせました。

これがヘンデルによる、オラトリオ演奏会の始まりです。

この後、ヘンデルによるオラトリオとオペラが、並行して上演されるようになりました。

1740年からは、ヘンデルは、英語のテキストによるオラトリオにも集中して取り組むようになります。聴衆の好みが、イタリア・オペラから離れていったのが原因だと言われています。ただ、結果的に英語のオラトリオに取り組むことで、イギリス人歌手を積極的に採用することになり、ヘンデルは、イギリスの音楽的伝統を形づくることに貢献したと言われています。

1751年、ヘンデルは失明してしまいます。失明してしまうまでにヘンデルは、

  • 《エジプトのイスラエル人》La Resurrezione
  • 《サウル》Saul
  • 《メサイア》Messiah

などの多くのオラトリオを作曲しました。

もちろん、ヘンデルが作曲したのはオラトリオだけではありません。オラトリオの幕間にヘンデル自身が演奏したオルガン・コンチェルトや、コンチェルト・グロッソ、アンセム、チェンバロ組曲なども作曲しました。

6.ヘンデルの音楽性

ヘンデルはドイツに生まれ、イタリアで音楽を学び、ヨーロッパ各地の多様な音楽と音楽家の集まるロンドンで成功を収めました。つまり言わば、国際的な作曲家であったと言うことができるでしょう。

ヘンデルの音楽は壮麗で明快。つまり分かりやすく、当時の聴衆に喜ばれ、人気を集めました。

バッハが整地な対位法を極め、厳密な声部書法を遵守していたのに対し、ヘンデルは旋律と和声を重視しました。ヘンデルのフーガは、ポリフォニックな部分と和声的部分との交替から構成されています。

なお、作曲家と聴衆との関係という観点からは、都市の市民を相手に予約金と入場料の収入で音楽会を運営する、という次の時代の形を先取りしていました。

【参考文献】

  • 片桐功 他『はじめての音楽史 古代ギリシアの音楽から日本の現代音楽まで』
  • 田村和紀夫『アナリーゼで解き明かす 新 名曲が語る音楽史 グレゴリオ聖歌からポピュラー音楽まで』
  • 岡田暁生『西洋音楽史―「クラシック」の黄昏』
  • 山根銀ニ『音楽の歴史』

【スポンサーリンク】
スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする


【スポンサーリンク】
スポンサーリンク