「 音楽の哲学・音楽美学 」一覧

音楽美学者 Peter Kivy が逝去

こう書くと不謹慎かもしれませんが, いよいよ「音楽の哲学」という哲学の, 美学の, 動向の 1 つが歴史的なものになるのか, という感があります.

音楽美学者 Peter Kivy が 5 月 6 日に亡くなられました. 87 歳でした. ガンで闘病中だったとのことです.

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「音楽の良さ」は分からないけど, 誤魔化して納得する方法はある

先日, こういう記事を読みまして.

投稿者の方は, 歌詞が好きな曲 = 良い曲というのが基本で, 楽曲を構成している歌詞ではない要素についての良し悪しが分からない, 分かるとしたら,

「なんかいい感じ、くらいの感覚を良し悪しと言うのだろうか。爽快感とか?意外性?」

程度で, 音楽の良さを教えてほしい, という内容でした.

これは非常に興味深い, 面白い, といったら失礼にあたるかもしれませんが, いざ「音楽の良さ」について「語る」, つまり音楽以外の, 特に言語行為において説明しようとすると, なかなか難しい. 興味深い問いかけです.

ということで, 自分の考えていることを整理するためにも, 以下の文章を書いてみました. 続きを読む


ハイデガーが聴いた音楽

9 月 9 日に, 光文社からハイデガー『存在と時間』の新訳が発売されます. 今回は中山元訳. 古典新訳文庫のうちの 1 冊で, 全 8 巻 ( ! ) が予定されています.

  • ハイデガー ( 著 ) , 中山元 ( 訳 )『存在と時間 1』( 光文社, 2015 )


今年の 5 月には, 勁草書房の松尾啓吉訳の新装版が発売されたばかりなんですけれども.

  • 松尾啓吉 ( 訳 )『存在と時間 新装板 ( 上 ) ( 下 )』( 勁草書房, 2015 )

正直もう翻訳が出過ぎ感があるので, もう『存在と時間』に関して言えば. いまぱっと思いつく限り挙げると, 続きを読む


拍子と表現

田村和紀夫『音楽とは何か ミューズの扉を開く七つの鍵』(2012年、講談社)「第4章 音楽はリズムである」のノートです。なお、当エントリー中の引用部分は、特に断りのない限り同書からになります。以下も参考にしてください。

リズムの定義
田村和紀夫『音楽とは何か ミューズの扉を開く七つの鍵』「第4章 音楽はリズムである」のノートです。この章を通じて、「リズムとは何か」について...

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リズムと拍子

田村和紀夫『音楽とは何か ミューズの扉を開く七つの鍵』(2012年、講談社)「第4章 音楽はリズムである」のノートです。なお、当エントリー中の引用部分は、特に断りのない限り同書からになります。以下も参考にしてください。

田村和紀夫『音楽とは何か ミューズの扉を開く七つの鍵』
著者の理想とする音楽というものがあって、各章で事例を挙げながら、それを正当化しているだけなのではないか(もちろん、ほとんどすべての「~とは何...

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リズムの定義(2)

田村和紀夫『音楽とは何か ミューズの扉を開く七つの鍵』「第4章 音楽はリズムである」のノートです。この章を通じて、「リズムとは何か」について、あれこれ思い巡らせたいと考えています。以下も参考にしてください。

田村和紀夫『音楽とは何か ミューズの扉を開く七つの鍵』
著者の理想とする音楽というものがあって、各章で事例を挙げながら、それを正当化しているだけなのではないか(もちろん、ほとんどすべての「~とは何...

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リズムの定義

田村和紀夫『音楽とは何か ミューズの扉を開く七つの鍵』「第4章 音楽はリズムである」のノートです。この章を通じて、「リズムとは何か」について、あれこれ思い巡らせたいと考えています。本書については、以下を参考にしてください。

田村和紀夫『音楽とは何か ミューズの扉を開く七つの鍵』
著者の理想とする音楽というものがあって、各章で事例を挙げながら、それを正当化しているだけなのではないか(もちろん、ほとんどすべての「~とは何...

まーいろいろとエラソーなことを書いていますが(笑) まずはリズムについて、謙虚に学んでいきましょう。田村和紀夫によると、リズムとは、

「音楽の三要素として筆頭にあげられるのがリズムです」(田村和紀夫『音楽とは何か ミューズの扉を開く七つの鍵』2011年 講談社 p. 94)

ちょっと意外な気がします。というのも、音楽とは何か、これを構成している要素として最も重要なそれは何か、と言った場合、「メロディー」=「旋律」が真っ先に思い浮かぶ方が多いと思われるからです(なお、メロディーに関しては、「第5章 音楽は旋律である」に詳しく述べられています。)。しかし田村和紀夫によると、「リズム」が音楽の要素として「筆頭」なのです。

考えてみると当然? なのですが、メロディーが成立するためには、リズムが必要です。リズムがなければ、メロディーは成立しません。何の音階が、どのような時間的瞬間に鳴らされるのか、これを決定するのはリズムです。メロディーではありません(いや、これもですね、チェリビダッケを読むとちょっと違うような気がしてくるんですが(笑) いや、あくまで田村和紀夫の内部に、あ。田村和紀夫の『音楽とは何か~』の内部に留まりましょう。田村和紀夫の内部とかいうと、内臓か? ん? みたいで気持ち悪いですね)。

もう少し本文を読んでみましょう。「リズム rhythm 」の語源がギリシャ語の「リュトモス rhythmos (時間の「流れ」や「形」などの意味)」に求められることを確認した後、田村和紀夫は次のように述べます。つまり、リズムとは、

「一般的には〔中略〕「あらゆる時間的な諸関係。西洋音楽ではメロディ、ハーモニーと並ぶ基本要素のひとつで、アクセントが周期的に現れると、拍子・拍節などの現象が成立する」」(同書 同ページ)

要するに、或る音現象と或る音現象の時間関係全体を指して、リズムであると言えるのではないでしょうか。いや、ちょっと「時間」というと、どうも物理的時間を思い浮かべてしまうので、ちょっと誤解がありそうなのですが。えー、嫌いな言葉なのですが・・・、質的な(笑) 時間ということで(笑) 勘弁してください。



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