aiko 「ボーイフレンド」に潜むモード感とテンションの魅力

aiko のヒット曲「ボーイフレンド」。この曲が2000年にリリースされた際、その個性的な歌詞とメロディが多くの人々を魅了しました。特に「ボーイフレンド」は、J-POPの中でも非常に珍しいテンションコードが多用された楽曲であり、その独特のメロディラインが特徴です。この記事では、羽島亨『ヒット曲は発明だ!』(2018)を参考に、aikoの「ボーイフレンド」が持つモード感やテンションノートについて、詳しく解説していきます。

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aikoの「ボーイフレンド」におけるモード感とは?

「ボーイフレンド」は、aikoが作詞・作曲を手がけた楽曲で、2000年にリリースされました。この楽曲は、50万枚を超える売上を記録し、日本レコード協会からプラチナ認定も受けた一大ヒットとなりました。この成功の背景には、aikoの独特なモード感が大きく寄与しています。

モード感とは、具体的な時間や場所を明示せず、聴き手の想像力を掻き立てるような曖昧さを持つ表現手法を指します。「ボーイフレンド」の歌詞では、テトラポットや小さな部屋といった具体的な場所や状況が提示されますが、それがいつ、どこなのかは明示されません。この曖昧さが、aikoの歌詞に深みと魅力を与え、聴き手に自分なりの解釈を許す余地を生んでいます。

テンションノートが生み出すメロディの美しさ

「ボーイフレンド」には、J-POPとしては非常に珍しいテンションコードが多用されています。テンションコードとは、コードの基本音にさらに音を加えることで緊張感を生み出し、メロディに独特の雰囲気を与えるものです。たとえば、Am7のコード上に「レ」「ミ」「ソ」といった音がメロディに使われていますが、これらはAm7の構成音に含まれていないため、テンションノートとなります。このようにして、aikoはメロディに緊張感を持たせつつ、心地よい流れを作り出しています。

特に印象的なのは、サビの部分で使われるDオーグメント(Daug)コードや、Bm7のコードに含まれない13thと11thのテンションノートです。このような複雑な音使いが、aikoのメロディを一層際立たせています。J-POPにおいて、これほどまでにテンションノートが多用される曲は珍しく、「ボーイフレンド」が非常にユニークな存在であることがわかります。

aikoの「発明」としての「ボーイフレンド」

aikoの「ボーイフレンド」は、単に人気があっただけでなく、J-POPの中で新しい音楽的な提案を行った楽曲です。テンションコードを多用することで、従来のJ-POPとは一線を画した新しいメロディラインを作り上げています。これが、aikoの音楽の「発明」であり、彼女が多くのファンに支持される理由でもあります。

「ボーイフレンド」を聴いた際に感じる独特な緊張感や深みは、テンションコードによるものであり、その音楽的な構造がどれほど綿密に作り上げられているかがわかります。aikoの作曲に対する感覚とセンスが、他のJ-POPアーティストとは一線を画す部分であり、彼女がいかにして新しい風を吹き込んだのかが理解できます。


aikoの「ボーイフレンド」に込められた音楽的な魅力について、さらに深く知りたい方は、羽島亨『ヒット曲は発明だ!』(2018)をご覧ください。この書籍には、aikoの他のヒット曲や、J-POPにおける革新的な楽曲に関する詳細な分析が収められています。

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