私たちは日常的に、複雑なものを別の何かに例えて理解しようとします。「脳はコンピュータのようなもの」「記憶は引き出し」──こうした比喩は、科学の世界でも強力な役割を果たしてきました。では、もし脳と心を「音楽」に例えたとしたら、何が見えてくるでしょうか?
「Music as a scientific metaphor for mind and brain(脳と心のための科学的メタファーとしての音楽)」によれば、音楽は単なる比喩的な表現を超えて、脳と認知の働きを理解するための体系的な科学的フレームワークになりうると言います。2026年に学術誌『Neuroscience and Biobehavioral Reviews(神経科学・生物行動レビュー)』に掲載されたこの論文は、アグスティン・イバニェス(Agustin Ibanez)氏を筆頭著者とする国際的な研究チームによるものです。彼らはチリ、アイルランド、アメリカ、ドイツ、イタリア、スイスにまたがる研究機関から集まり、音楽が脳科学の新たなメタファーとして機能しうることを包括的に論じました。
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