音楽の中で、リズムやテンポが一律であると感じたことはありますか?あるいは、演奏によって音楽がどのように「生き生き」と変わるのか、不思議に思ったことはありませんか?実は、その微妙な違いには「アゴーギク」という音楽理論が関わっています。
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リズムを哲学する: 古代ギリシアから現代ポピュラー音楽まで
音楽の世界において、リズムほど私たちの感覚に直接訴えかける要素はほとんどありません。リズムは私たちの日常生活に深く根ざしており、心拍、呼吸、歩行といった生理的なリズムから、社会的なスケジュール、自然界のサイクルに至るまで、あらゆるところでその存在が感じられます。では、音楽におけるリズムとは具体的に何を指すのでしょうか?また、それはどのようにして音楽の中で機能しているのでしょうか?
続きを読む音楽記号学と演奏解釈:ベートーヴェンの「ワルトシュタイン」ソナタにおける新たな視点
音楽記号学とは一体何でしょうか?また、それはどのようにして演奏解釈に影響を与えるのでしょうか?本記事では、音楽記号学の理論を用いてベートーヴェンのピアノソナタ「ワルトシュタイン」Op.53を分析した学術論文を紹介し、その内容を詳しく解説します。この論文は、ベートーヴェンの作品に新たな解釈を与え、演奏者にとって重要な視点を提供しています。
続きを読む音楽人類学で読み解く西洋音楽の「ローカル」な特性
西洋音楽史における作曲家たちの生涯や作品分析は、多くの学術書で綿密に掘り下げられています。しかし、これらの音楽が生まれた文化的・社会的な背景については、従来の音楽史研究ではあまり深く触れられてこなかった部分があります。この点において、音楽人類学は新たな視点を提供します。音楽人類学は、音楽を単なる芸術の形式としてではなく、それが生まれ育った文化の一部として捉えることを促します。では、このアプローチは具体的にどのような洞察をもたらすのでしょうか? 吉岡政憲 「音楽史・音楽学・人類学: 西洋音楽史研究としての音楽人類学」(2024) を参考にこの点について検討します。
続きを読む1998年の名著が待望の文庫化: 門馬直美『ベートーヴェン 巨匠への道』
『西洋音楽史概説』(春秋社)、『管弦楽・協奏曲名曲名盤100』(音楽之友社) などの著書をもつ故・門馬直美 (1924 〜 2001) によって 1998 年に春秋社から出版した『ザ・ベートーヴェン』が、『ベートーヴェン 巨匠への道』として講談社学術文庫で文庫化。
続きを読むヴィンテージ機材復刻格安アプリか, 高額フィジカル機材か… 音楽テクノロジーの未来は悩ましい! 週の音楽オススメ & 注目記事まとめ ( 5 月 1 日 – 5 月 7 日 )
今週の話題としては, テクニクスの SL-1200 の復「活」モデル 33 マン円と, Moog のヴィンテージシンセ復「刻」アプリ 30 $ と, ていう. なかなか機材の値段, という観点から, 音楽に関係する産業がこれからどうなっていくのか. いや, そんな大それた話ではないですね. まあその, DJ, ターンテーブルを操るという演奏行為を, 昔ながらに取り組もうとすると, ターンテーブル 1 台買うのにちょっといいギター 1 本買うくらいはカネかかるようになった, と. これはけっこう, DJ という音楽行為が値段的に価値がかなり上がってきた, そういうことなのかもしれません. 続きを読む
リズムの定義(2)
田村和紀夫『音楽とは何か ミューズの扉を開く七つの鍵』「第4章 音楽はリズムである」のノートです。この章を通じて、「リズムとは何か」について、あれこれ思い巡らせたいと考えています。以下も参考にしてください。