音楽の歴史において、作曲技法やスタイルの変遷はどのようにして起こったのでしょうか?そして、その変遷を解析するために計算モデルはどのように活用できるのでしょうか?今回は、Fabian C. Moss、Robert Lieck、Martin Rohrmeierによる論文「Computational modeling of interval distributions in tonal space reveals paradigmatic stylistic changes in Western music history」(2024) を紹介し、コンピューターモデリングがどのようにして西洋音楽史の様式変化を明らかにするかを解説します。
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ゲーム音楽における音楽性と、ミュージッキングの概念
音楽ゲームにおける音楽性とは、どのようなものでしょうか? 恥ずかしながらいままでこの観点を持っていませんでした。音楽ブログの管理人をしておきながら、です。
続きを読む音楽「の」哲学 / 音楽「と」哲学 (『The Oxford Handbook of Western Music and Philosophy』読書ノート (1)「序論」)
この記事は『The Oxford Handbook of Western Music and Philosophy』「序論」の読書ノートです。
『The Oxford Handbook of Western Music and Philosophy』の序論では、音楽と哲学の関係性を探ることがこの書籍の主な目的であることが強調されています。
続きを読む音楽と数学、そして哲学の交差点: 古代ギリシアの音楽観
音楽と数学、そしてそれに哲学が絡み合うとどうなるのでしょうか?この質問に対する答えは、古代ギリシャ時代まで遡ります。音楽がただの芸術ではなく、数学や哲学と深い関連性を持っていることは、数千年も前から考えられてきました。この記事では、Stanford Encyclopedia of Philosophyの「History of Western Philosophy of Music: Antiquity to 1800」を参考に、音楽、数学、哲学の三つがどのように絡み合っているのかを探ります。
続きを読む楽曲のネットワーク分析: 音楽と離散数学
YouTube でオススメされた動画で、グラフ理論の面白さを知りました。
この動画では、グラフ理論を生物学へ応用してているのですが、エッヂとノードの構成からある対象を解析するという手法は、音楽にも応用できるのではないか、と思いつきました。つまり、音楽のネットワーク分析ですね。
続きを読む香水とカノン: 瑛人「香水」のヒットはなぜ異例ではないのか
行動経済学、あるいは消費者心理学、どちらでもいいんですけれども、慣れ親しんだものを人は好きになるという法則がありますよね。言い換えれば、何度も何度も繰り返し経験したものと似ているものを、人は好きになる。これは多角的な視点から論じられる人間の特徴で、単純接触効果という視点から、あるいは現状維持バイアイス、あるいは損失回避性といった視点から論じられる人間の特徴です。
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