「 古楽 」一覧


トロントの現代作曲家, John Kameel Farah によるピアノ作品集,『 Unfolding』( 2009 )

John Kameel Farah はトロントを中心に活動する現代作曲家で, 古楽やバロックかからアンビエント, 中近東, そして EDM にエレクトロアコースティックと, かなり幅広い関心分野をもっています. 今回は 2009 年リリースのピアノ作品集,『Unfolding』( 2009 ) をレコメンド. 続きを読む



水上の古楽まつり

8月19日に、Kaor さん主催の「水上の古楽まつり」に参加してきました。

古楽とは、バッハ以前の西洋音楽のことです。バロックやルネサンス、中世の西洋音楽が、ひとまとめに「古楽」と呼ばれています。

要するに、いわゆる、ハイドンやモーツァルト、ベートーヴェンといった「古典派」より前の西洋音楽、ということですね(と、軽く言ってしまうと専門的な方々からかなり細かいツッコミが入りそうですが(笑、大雑把に言ってしまうとそういうことです)

ちなみに、本サイトでも以前、古楽をテーマに少し記事を書いていました。

古楽については、

の2冊が入門書的かつ詳しいです。

そんな古楽を、「船の上で」楽しむという主旨の下、開催された「水上の古楽まつり」。

ワタシは昨年の夏くらいから、「古楽」という音楽を知り、たまーに聴くくらいの言わば「ニワカ」なんですが。参加者にはライトな古楽ファンから、ガチの専門家までいらっしゃって、相当楽しかったです。なかにはバロックやルネサンスのコスプレをされている方もいらっしゃいました。うん、哲学もそうなんですけど、やっぱ日本人が西洋文化を理解するためには最終的にはコスプレの境地に辿り着かなければならないのですね!

船のルートは、当初の予定では、「隅田川を下りながら」スカイツリーを眺めるコースだったようですが、潮位の影響で東京湾クルージングに。なんと(スカイツリーの影に隠れてちょっと話題性の薄い(笑 )ゲートブリッジの下をくぐる! というですね、いやー、コレはかなり興奮しましたね。やっぱトーキョーの夜景は船上から見ないとね!

などと書いていると、コスプレやらゲートブリッジやら「古楽はドコいったんだよ!?」というツッコミを受けそうですが、何とですね、当日は古楽の楽器を持っていらっしゃる専門家もいらっしゃいまして。というか、アカデミックに古楽を研究されていらっしゃる方々はほとんど、自前の楽器をお持ちになっていたようです。

それで、モーツァルトのクラヴィーコードを聴きながら、東京湾の夜景を眺める、ていう。かなーり貴重な(笑 体験をしました。

クラヴィーコードは非常に繊細な楽器のようで、湿気に弱いらしく、潮に当たるなんてもっての他らしいのですが、お持ちになっていた方が「どうしても外で弾きたい!」ということで、デッキで演奏していらっしゃいました。楽器生命に関わるですね、非常にスリリングで、言わば極限状態のなかの演奏だったのですよ、コレが(笑 エクストリーム古楽ですね、エクストリーム・モーツァルトでも良いですよ!

あ、ワタシも少しクラヴィーコードを触りました。これも貴重な体験!

クラヴィーコードなんですが、というか、古楽の楽器全般に言えることなのかもしれませんが、音が小さい。ということで、船のデッキで演奏してもほっとんど風と波とエンジン音で聴けなかったんですけど(笑、だからこそ一生懸命、音色に耳を傾けなければいけなかった、っていう。あれほど真剣に演奏を聴こうとしたのは、最近ではなかったかもしれません。

そして、当然と言えば当然で、電気を使わない。もうですね、聴き終わった後に、電気使わないんだったら、節電のために世の中の楽器全てを古楽器にすれば良いんじゃないかな! っていう。ロックとかそーいうので脱原発を盛り上げるより、古楽器で脱原発を主張した方がよっぽど説得力あるんじゃないかな! なんていう。そーいうことを考えさせられたりもしました。

こんなふうに、ワタシのようなニワカから、ガチの専門家が一堂に会して、音楽を楽しむ、っていうイベントが、あらゆるジャンルの音楽でもっと広がればなあ、って思います。

こんなふうに、ワタシのようなニワカから、ガチの専門家が一堂に会して、音楽を楽しむ、っていうイベントが、あらゆるジャンルの音楽でもっと広がればなあ、って思います。なお、当日の様子は、Togetter にもまとめられています。

 



金澤正剛『新版 古楽のすすめ』ノートまとめ

金澤正剛『新版 古楽のすすめ』(2010年、音楽之友社)を読みながら、古楽について学び、かつ、これを現代における音楽活動/行為に対するオルタナティブな提案として曲解する(笑)、という冒涜行為をしました。以下のリンクより、各ノート (まえがき、第一章、第十一章、第十二章) をご覧になることができます。 続きを読む


即興、あるいは創作/改竄

金澤正剛『新版 古楽のすすめ』(2010年、音楽之友社)の第十二章を読みながら、古楽について学んでいるところです。当エントリーで、『~ 古楽のすすめ』のノートは終わりになる予定です。第十二章については、以下も参考にしてください。

なお引用文は、特に断りのない限り、同書からになります。

さて、第十二章では、古楽における即興演奏がテーマになっています。現在、古楽を演奏する際に、「大切なこと」ことは何なのでしょうか。

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楽譜どおりに演奏しない

金澤正剛『新版 古楽のすすめ』(2010年、音楽之友社)を読みながら、古楽について学んでいるところです。当エントリーは、「第十二章 即興演奏について」についてのノートになります。第十二章については、以下も参考にしてください。

なお引用文は、特に断りのない限り、同書からになります。

さて、第十二章では、古楽における即興演奏をテーマに、楽譜と演奏との関連性が説明されています。当時のヨーロッパ音楽は、現在コンサートホールで演奏されるようないわゆる「クラシック」とは異なり、楽譜に対してかなり寛容的だったようです。しかしその分、現在以上に楽譜リテラシーのようなものが求められていたのかもしれません。

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ロココ音楽における楽譜と演奏

金澤正剛『新版 古楽のすすめ』(2010年、音楽之友社)を読みながら、古楽について学んでいるところです。なお引用文は、特に断りのない限り、同書からになります。古楽については、以下を参考にしてください。

本エントリーは、「第十二章 即興演奏について」についてのノートになります。第十二章については、以下も参考にしてください。

さて、第十二章では、古楽における即興演奏がテーマなのですが、これに関連して、楽譜と演奏の関係性のようなものが、ロココ音楽を例に説明されています。金澤正剛が、18世紀の代表的なクラウザン演奏家であるフランソワ・クープランの出版した教則本、『クラウザン奏法』を引用している部分を引用してみましょう。

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古楽における楽譜と演奏

金澤正剛『新版 古楽のすすめ』「第十二章 即興演奏について」についてのノートです。なお、当エントリーにおける引用は、特に断りのない限り、金澤正剛『新版 古楽のすすめ』(2010年、音楽之友社)からになります(くどいよ)。古楽については、以下を参考にしてください。

さて、第十二章では、古楽における即興演奏がテーマなのですが、これに関連して、楽譜の役割やその歴史のようなものが説明されています。この点に関しては、以下も参考にしてほしいのですが、

もう少し、楽譜について、特に古楽におけるそれの説明を追ってみたいと思います。

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楽譜の歴史

金澤正剛『新版 古楽のすすめ』「第十二章 即興演奏について」についてのノートです。なお、当エントリーにおける引用は、特に断りのない限り、金澤正剛『新版 古楽のすすめ』(2010年、音楽之友社)からになります(くどいよ)。古楽については、以下を参考にしてください。

第十二章については、以下もご参考下さい。
さて、『~ 古楽のすすめ』では、「部分的即興演奏」の説明に付け加えて、「楽譜」は「音楽そのものではない」と断言します。よく考えれば当然ですが、私のようなそこらへんの音楽愛好家はどうしても楽譜に絶対的価値を与えてしまうものです。これにつづいて、簡単な楽譜の歴史のようなものが述べられています。非常に参考になります。少し引用します。

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