以前, 本サイトで西洋音楽史についてまとめていましたが, 今回から, 音楽の基本的なところについてまとめていきたいと思います.
音楽の基本ってなんやねん, ていう話ですが, そもそも音とは, とか, 音律とは, とか, (音とか音律とはカテゴリーが異なるかもしれませんが, )音程とか音階とかリズムとかですね, そういうことについてまとめていきます.
第 1 回目は「音」です.
目次
音とは何でしょうか.
ものすごく簡単に (あるいは雑に) 言えば, 音について説明すれば, 音とは, 気体・液体・固体を媒介して伝わる波状の振動です. この, 振動としての音は (ていうか, 物理的には, 音は振動なのですが), 高さ, 大きさ, 音色の 3 つの要素を持っています.
音の高さ
音の高さとは, 周波数のことです. 周波数とは, 1 秒間に繰り返される音の振動の数. 単位は Hz (ヘルツ) です. 小さい周波数は低い音として, 大きい周波数は高い音として認識されます.
ヒトは, 20 Hz から 20,000 Hz の範囲の音を認識することができます.
純音と倍音
1 つの周波数からなる音を純音と言います. 純音は, 自然界には存在しない音だとされます. というのも, 自然界に存在する音は, 複合音. 基音の周波数と, その整数倍の周波数が合成された音です. 複合音に含まれる整数倍の周波数を, 倍音といいます.
倍音について補足しましょう. 下図は, C 音 (ド) を基音にしたときの倍音を五線譜上に表したものです (「↓」のついている音は, 寄付上の音よりも少し低いことを示しています).
数字は振動数の比です. たとえば 2 は C 音ですが, その次の 3 の G 音 (ソ) と 2:3 の振動数になっているということです.
音高の認識
複合音の波形は複雑な形をしています. 音高を認識できる音は, 基音の周波数に基づいた周期性が生じます.
ということは, こんなことをいちいち断るのは当然すぎてアレですが, 音高を認識できない音というのがあるということです. 音高を感じることのできない音は, 周期性のない不規則な振動の音です.
ホワイトノイズ (白色雑音) という言葉を聞いたことのある方もいらっしゃるかもしれませんが, ホワイトノイズとは, すべての周波数帯域に一様に周波数成分が拡散している, 雑音のことを言います.
音の大きさ
音の大きさは, 波形の振幅の大きさによって決まります. 振幅が大きいほど大きい音です.
振動の大きさは物体の振動が空気の分子に及ぼす圧力によって規定されます (音圧). ふつう, 音圧の実行値は対数で, 音圧レヴェル [db] が使用されます.
音色
音色は波の波形の違いです. 音色の違いが生じるのは, 倍音の含まれるバランス (スペクトル分布と言います) によるものです.
楽器の場合, 音色は発音原理やそれを共鳴させる本体の素材に大きく影響を受けます. だから 同じ音高であっても楽器ごとに音色が異なるのです.
また音色は, 波形の時間上の衰退特性 (エンヴェロープ) にも依存しています.
今回は以上です. ちょっと概略が過ぎた感じがあるので, 次回はもう少し, 物理学的な観点からの音について説明します.
次回は「音波」について取り上げます.