20 世紀を聴き比べる (9)「1909 年: 全面的な無調へ」

よく歴史の本で、ある年に世界と日本それぞれ何が起きたか比べられる年表がありますよね。ある同じ年にどういった出来事が起きたか世界と日本で比べられる年表の、音楽版というのがあれば面白いなと思いつきまして。ただし、日本の音楽と世界の音楽を比べるのではなく、同じ年に発表されたクラシック (現代音楽) とジャズ、ポップス、ロック、ヒップホップを比べる、みたいな。

それを年表にしてしまうと、インターネット上で見るのは厳しいものがありますので、1 つの記事につき、1 年ずつ、同じ年に発表された音楽を、ちょっとまとめて、聴き比べられるようにしてみようではないかと。

というのを思いつきまして、現在、「20世紀を聴き比べる」と題して、1 記事につき 1 年ずつ、ある年に発表された音楽を聴き比べることのできるシリーズを公開しています。

今回は第 9 回、1909 年です。

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1909 年のクラシック音楽

まずはクラシック。クラシック曲において「この年にはこの楽曲!」と断言するのは難しいのですが、この点に関しては、初回の記事のクラシックの項目を参考にしてください。

では、1909 年のクラシック音楽を聴いていきましょう。

1909 年のクラシック音楽で注目するべきは、1908 年に引き続きシェーンベルクArnold Schönberg でしょう。

シェーンベルクは、妻マチルデが若い画家と駆け落ちした挙句、相手のゲルストルが自殺してしまうといった陰惨な体験をはさんで、『2 つの歌曲』から無調の作品を書き始めますが、1909 年の『3 つのピアノ小作品』(Op. 11) は、はじめて全面的な無調になりました。

シェーンベルクはこの年ほかにも『架空庭園の書』Op. 15、『5 つの管弦楽曲』Op. 16 や『期待』Op. 17 などを作曲しました。

  • 架空庭園の書
  • 5 つの管弦楽曲
  • 期待

それでは、シェーンベルク以外の、1909 年のクラシック音楽も紹介しましょう。

  • M . レーガー『詩篇第 100 番』op. 106 (1908 〜 09)
  • R. シュトラウス『エレクトラ』
  • A. ベルク『4 つの歌曲』op. 2

1908 年のポピュラー音楽

つづいて、ポピュラー音楽。

こちらも、作曲年なのか、出版 (発売) 年なのか、あるいはレコーディング年なのか、あるいは流行年なのか、が、1 つの楽曲において異なっていて、なかなか単純には言えません。

また、1908 年ピンポイントとなると、確証的な資料が手元になくてですね…

とりあえず、以下の 3 サイトを参考にして、「流行した」上位 3 曲を紹介します。

The World’s Music Charts」より

  • Fisk University Jubilee Quartet「Swing Low, Sweet Chariot」
  • Blanche Ring「I’ve Got Rings on My Fingers」
  • Ada Jones & Victor Light Opera Co「The Yama Yama Man」

playback.fm」より

Fisk University Jubilee Quartet「Swing Low, Sweet Chariot」
Blanche Ring「I’ve Got Rings on My Fingers」
Ada Jones & Victor Light Opera Co「The Yama Yama Man」

MusicVF.com」より

  • The Haydn Quartet「Put On Your Old Gray Bonnet」
  • Harry Macdonough & Elise Stevenson「Shine On, Harvest Moon」
  • Henry Burr「I Wonder Who’s Kissing Her Now」
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