WIRE 02 レポート: さよならジオシティーズ! 過去記事一挙転載(20)

ジオシティーズが… 終わってしまう… このままでは… 高校の頃にしたためていた音楽レビューが消えてしまう… なんとか救出しないと… とあたふたしていたのですが, パソコンを検索したら出てきました! ということで, せっかく発見したので,「さよなら, ジオシティーズ」と題して, 過去に書いた音楽レビューをこのサイトへ転載することにしました. 20 回目は, 2002 年 8 月に開催された屋内レイヴ・イベント, WIRE 02 のレポート. 文章はほぼそのまま!

ではどうぞ…!

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WIRE 02 レポート

今年、初参加したWIRE。

石野卓球がオーガナイズし、今年で4回目。

会場を横浜アリーナから、埼玉スーパーアリーナに移し、集客力も増えた。

前評判としては「ある意味実験的」。

しかし初参加の俺は、何が実験的かもわからないまま、いざ出陣して。

1.溢れる狂騒にすぐに飲み込まれた俺 ~ SKECTH SHOW、貫禄

平成14年、8月31日18時、俺はWIREに初参加した。

あの夜、埼玉スーパーアリーナは快楽と狂騒が充満し、俺はレイヴの類は初体験☆だったのだが、何だか戸惑うとか、いまいち場の雰囲気に馴染めず、等ということは皆無。

さすがにアリーナに入って二分くらいは様子見、そしてその音圧に圧倒されてどうしたものか、と考えてしまったのだが、ひとたび体を動かせば、もう、アリーナの快楽、狂騒と一体化している俺がいた。

最初はメインフロア、SHIN NISHIMURAという素人は全くよう知らんDJで、そんなものは関係ない。

ということを知った。

俺にとって全く初耳のDJであれ、それが気持ちよければ体が勝手に踊ってしまうのだ、これ、全く、素人が何を語っているんだか。

そして引き続きメインフロアのライブステージで

SKETCH SHOWが登場。

俺は俺は割りと前の方で見た。

踊るとかそういうのではないが、大御所らしく、クールなサウンドで。

素晴らし。

そして、俺の体験した粋な計らい in WIREそのイチ。

SKETCH SHOWがサンプリングで『ライディーン』のサビを一瞬使用。

チャ チャ チャー チャチャラチャッチャラチャッチャチャーの、

チャ チャ

のところだけね。

もちろんアリーナは超湧き。

俺も思わず声を上げて拍手をしてしまった、って、それみんな同じ。

SKETCH SHOWが終わったら、俺はしばし休憩に。

2.田中フミヤ、参上

SKETCH SHOWが終わり、俺はしばし休憩に。

既に腰と首が痛いということに気付く。

俺はバカか、飛ばしすぎである。

会場内で飲物や食い物屋を見て廻る。

飲み物が高すぎる。

ソフトドリンク500ミリリットルが400円である。

アルコールの類は500円也。

高し。

セカンドフロアはどんなもんじゃい、と、覗いたセカンドフロア。

そこには、バリケードでで各ブロックに区切られたメインフロアとはまた違う、自由な空間が。

これもまたよう知らん日本人DJが回していたのだが、俺はまだ体力的には回復しておらず、

踊りたくても踊れなかった。

が、俺の一度でいいから観てみたかった、田中フミヤの出番が。

近づいて。

俺、セカンドフロアへののそのそと、しかし体揺らしながら歩いていって。

田中フミヤ、登場。

フミヤー、と、黄色い声援多し。

率直な感想、これもまたよろし。

俺はミニマムで踊るのがいちばんよい感じだ、と確認する。

絡み合うビートが気持ち良い。

そして、レコードを換えるときのフミヤ氏の少し急ぐ感じがまた、これぞDJ、て具合で。

そして、粋な計らいin WIREそのニ。

ミニマムのみがフロアを揺らし、誰もがそのビートに思い思いに踊っている中、フミヤ氏がかけたレコードは・・・、

ワールドカップ公式テーマソング『アンセム』!!

絡み合うビートに不意に乗せられた熱いメロディに、誰もが手を挙げ、フロアは超湧き。

俺も然り。

俺は途中、腹痛くなってトイレ行きたくなったが、フミヤ氏が回していた約一時間半、踊り続けていた。

ありがとう、フミヤ氏。

これからも最高にリスペクトします。

3.卓球、(笑)

田中フミヤを楽しんだ後、急いでメインフロアへ。

WIREのオーガナイザー、石野卓球である。

フロアがごった返している。

俺がフロアに入る頃には既に始まっていた。

ライブステージに卓球。

日本でライブすることはめったにないという。

遠くてよう見えないため、何が何でも俺は前の方に行きたい・・・!!

が、やっぱ無理だった。

人が多すぎて、何だか大きく踊れない、が、もうそれは仕方ない。

別に大きく踊らなくても、よろし。気持ち良くあれば。

そんな感じで踊っていた俺、おもむろに卓球が取り出したものは・・・、

ピアニカ、そう、鍵盤ハーモニカ。

そして彼がそれで吹いた(弾いた)のは、

なんでだろー、なんでだろー、

俺はそのメロディを、テツアンドトモという良く動くお笑いコンビのコントで耳にしたことがある。

WIREの粋な計らい、そのサンである。

これ、原曲、というか、テツアンドトモがネタモトにした曲があるかどうか、俺は知らん。

フロアは沸きあがった。

みんな歌ってた、そして、両手を卓球の方にかざす。

なんでだろー、なんでだろー、なんでだなんでだろー、

さすが、卓球は違う。

大満足である。

これがフロアが一体になるということなのか、俺は始めてそう感じた。

卓球のステージが終わったあと、ほとんどの人がフロアから出て行こうとしたので、死ぬほど混雑した。

これが大混乱というものなのか、俺はそう思った。

4.飯、¥高い¥

俺は何とかメインフロアに後にした。

それからしばらく、俺はけっこうな長さの休憩をとる。

十分くらい寝たりもした。

つうか、フミヤの途中くらいから、俺はもう気力のみで立ち、踊っていたようなものだ。

腹も減った。

しかしあの列に並ぶのはやだなー、が、並ばな食えん。

喉渇いた、が、高い、飲物が。

俺は食った。チキンケバブとシシケバブ。

何だか変な外人が売っていた。どっか東南エイジアの国の料理らしい。

別に普通の味だったが。

こんなもんか、て感じで。

ビールも飲んだ。

500円。

これはこんな感じの値段でしょう、多分。

俺はそれから、ロビー、アリーナ席、などなど、ぶらぶら。

セカンドフロア脇で少し寝たり。していた。

ちょっとメインフロア覗いたり、したけど、すぐ疲れる、もう、限界。

ロビーにごろ寝する輩がやたらと増える。

もう日付が変わって2,3時間は経っている。

異様な光景である。

セキュリティー係の人が普通にうろうろしている後ろで、普通にみんな寝ているのだ。

ごったごただ。

ごみもかなり散らかっている。

パンフレットには、フロア内では絶対にタバコ、飲食物は禁止、と書かれていたが、

平然とフロア内にそようなごみが散らかっている。

面白い格好の人が何人かいた。

変な格好。

Tバックなんぞが透けている。

俺は、4時頃までの記憶が曖昧だ。

もうぐたぐたで、またーりで、フロアとロビーを行ったりきたり、踊ったり踊らなかったりで。

5.バム、燃焼、接触

だいたい4時頃か、いや、もっと前だったような気もする。

俺はビアを、それはもうぬるくなったものではあったけれども、残りの半分を飲み干し、

最後の力を振り絞り、なんていう古臭い表現が臭う、いな、似合う心持で、

メインフロアに向かった。

既に最後のDJアクトが始まっていた。

WEST BAM。

よう知らん。

が、素人にもわかる、なんか違うのだ、フロアの沸かし方が違う、

俺は悔しいが知ってしまった。

WIREで知ってしまった、レイブ、レイブにのみならず、今、世界を支配している西洋大衆文化、そう、音楽で言えばポップミュージックの分野においては、どんなに日本人がその真似事頑張っても、西洋人にかなうことはないのだ、ということを。

俺はWIREを楽しむ中で、うすうすは気付いていたが、そういうことなのだ。

さて、バムやんについて。

ホントに、おもしろかった。

終始笑顔で、ステージ中を縦横無尽に、所狭しと、動き回る。

ヘルメットをかぶり、拡声器でもってクラウドを煽る。

それでいてDJが疎かになることはない。

そしてスクラッチ、肘でするのだ、肘で。

回したレコードの何枚かをフロアに投げる、サービス過剰。

トキオートキオー、のコールアンドレスポンス。

ついにはフロアに降りてきて、バリケード越しにクラウドにタッチしていく始末。

アンコールには、どこから出てきたのか、た、瀧が、ピエール瀧が。

DJそっちのけで瀧と戯れるバム。

それをうけてさらに沸くフロア。

3回目のアンコールを呼ぶクラウドの声。

バムはもう疲れた、という素振り、時計を見て、もう帰らなきゃ、という素振り、

しかし、アンコールはやまない。

バムは再び出てきて・・・、四股を踏んだ。

もう一回やります、冗談が半分以上入った気合の入れ方で、三度ステージに戻るバム。

レコードを回したまま、フロアに降りるバム。

そして、最後のWIREの粋な計らい。

またバリケード越しにクラウドにタッチしていくバム、で、フロアの隅の方に行き、見えなくなった・・・、と思ったら、なんと、バリケード内に入ってきたのだ、バム。

オーディエンスは騒いだ、群衆心理、我先にバムの坊主頭(そう、バムはスキンヘッドだ)に触ろう、と、バムに群がる。

俺も然り、で、俺はバムが入ってきたブロックの隣のブロックで踊っていたのだが、群衆心理で、バリケードを乗り越え、隣のブロックへ。

混沌にまみれるフロア、俺もその混沌分子の一員に。

バムまで数メートル、く、無理か、俺はこの人ごみを掻き分けて、バムに触ることはできないのか、あ、もう、少し、坊主頭、触れる、

て、

これ、

バムやないやん、客の一人やん、

馬鹿野郎、紛らわしい頭しやがって、全くもう、

本物のバムはもう少し前だ、あと少し、手を伸ばせば、

タッチ☆

俺は世界の頭に触った。

これぞくれ行く夏の思い出、と、言わんばかりに。

暮れ行く夏の思い出として、バムやんの頭を触った俺。

その後、うごめく群衆心理の塊に右往左往されながら、俺はバムから離れていた。

バムはそれこそもみくちゃにされながら、セキュリティーの黒人にバリケードを開けてもらい、

ステージに戻った。

レコードはもう止まっていた。

バムは最後に笑顔で挨拶をして、ステージを後にした。

6.差し込む朝日 ~また来年会いましょう~

しかし鳴り止まぬアンコールの拍手。

去年はまだやった、卓球ー、などという声もちらほら聞かれた。

午前6時半。

ステージ湧きには今年出演したアーティストたちが並んでいた。

クラウドのアンコールの拍手、呼び声の中、アーティストたちは静かにステージ裏に消えて行った。

WIREは終わった。

スタッフがフロアに入ってきて、帰るよう支持する。

後に残ったのは、気持ちのいい疲労感と、目を覆いたくなるような、フロアに散らかされたごみだった。

ロビーで寝ていた人のほとんどが、もうどっか帰っていた。

外は明るかった。

朝日。

そして俺は腰と首が痛い。

後にその痛みは一週間ほど続くことになる。

朝の空気、東から射す光がとても気持ちいい。

とても、とても。

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