明けましておめでとうございます. 本年も『音楽的, 音楽論的』をよろしくお願いいたします.
さて, 新年 1 発目の記事のテーマは「2018 年, 音楽とどう付き合うか」, これについて, 個人的に思うことをつらつらと書いていきたと思います.
まず, 私的に, 2017 年にどう音楽と付き合ったか, ていう振り返りから.
目次
CD は買わなくなりました
2017 年, CD を今まで以上に買わなくなりました. 配信をダウンロードで購入することもありませんでした (DJ をする予定だったので, レコードは多少買いましたけど). では, どういった媒体で音楽を聴いていたかというと, 有料のものだけでなく, 無料のものも含めて, ストリーミングサイトです.
現在, 登録していて, かつ, 頻繁に利用しているストリーミングサイトは以下の通り.
- GooglePlayMusic
- SoundCloud
- Bandcamp
- Audiomack
- ANiUTa
RSS で複数の音楽情報サイトを登録して, そこで知ったアーティストをストリミーミングサービスで検索して聴いたり. あるいは, Bandcamp や Audiomack で気になったアーティストを GooglePlayMusic で検索して聴いたり. もちろん, ストリーミングアプリの新着音源をチェックしたり. などなどの利用方法で, 日々, 今まで聴いたことがなかった新しい音楽と出会っています.
現在, メインで利用している定額ストリーミング・サービスである GooglePlayMusic の関連アーティスト機能がけっこう優秀で, かなりマイナーなラテン・ジャズのアーティストに関連付けられているのが, また別のかなりマイナーな, 知らなかったラテン・ジャズのアーティストだったりして, そういうふうに, 20 世紀のポピュラー音楽をディグっています.
定額ストリーミング以前は, ディスクガイド本を買って, 読んで, 気になったヤツから予算が許す範囲で中古レコード屋へ行ってレア盤を探す, みたいな, そういう感じだったので, それはそれで楽しかったんですけど, もうね, 一度, 定額ストリーミングの素晴らしさを知ってからは, レコード屋から足は遠のきますよ, それは.
楽器・機材を買うようになりました
ということで, CD やレコードを買わなくなった分, おカネが浮いているわけですが, その浮いたおカネをね, 2017 年ならビットコインに注ぎ込んどけば今頃, こんな記事なんか書かずに好きなときに音楽聴いて, 好きなときに楽器弾いてみたいになってたかもしれない.
というのは冗談なんですが (笑), CD を買わなくなった分の音楽ファンのおカネ, これがどこへ流れるのか. 人によってさまざまだと思うんですが, 人によってはライブ・コンサートに行ったり, あるいは音楽とはぜんぜん関係ないスマホのゲームアプリに課金したり, というパターンが予想できます. で, 個人的には, CD を買わなくなった分のおカネ, は, 楽器・音楽機材の購入資金になりました.
記事にはしていませんが, この 1 年, ベースを買ったり, エフェクターを買ったり, リズムマシーンを買ったりシンセを買ったりなどなどと, けっこう楽器・機材を購入する機会が増えました. CD を買わなくなった結果だと思います.
音楽ファンは何におカネを使うようになったか
では, 個人的な話ではなく, もっと広い範囲で, 音楽ファンは何におカネを使うようになったのか, この点について, 簡単にレポートしたいと思います. 以下, 日本国内の話に限ります.
さて, 方々で指摘されていることではありますが, 全体的な市場の動向なんかを見ると, CD やダウンロード音源の売り上げが減少している一方で, ライブ・コンサートの売り上げが伸びているようですね.
しっかり相関関係を算出したわけではなく, グラフから受け取った印象ですので, 単なる印象論ですが, CD を買わなくなったからといって音楽が盛り下がっているわけではなく, むしろライブ・コンサートは盛り上がってるぞ, と言いたくなりますね.
CD が買われなくなった分, 楽器って, 売れてるの…?
では, 楽器・機材はどうなのか. 楽器・機材の売り上げと, CD・ダウンロード音源の売上減少との間に, 何か関連性はありそうなのかどうなのか, ネットでぱっと検索してみると…
2017 年のデータはもちろんありませんし, 2016 年以前もデータを探せた会社とそうでない会社とでさまざまですので, 一概には言えませんが, 全体的には楽器業界は, 少子化の影響で下降傾向なのだそうです. CD 買わなくなった分, 楽器を買うようになったなんていう短絡的な判断はできませんでした.
大阪大学の経済学部の学生による論文,少し古いのですが, ちょっと暗い傾向にあります.
ただ, 1 つの企業内の特定の部門によっては, そんなに悪いとは言えなぞ, といったところもあるようです.
楽器メーカーではなく, 楽器小売店となると, また様相が違ってきます. 10 年単位のデータはネット上で探せませんでしたが, 2013 年から 2014 年にかけては, 業界全体で若干の縮小がみられるとのことです.
個別にみると, たとえば島村楽器なんかは, 順調に業績を伸ばしていますね.
ただ, 検索でぱっと見つかるデータが少なすぎて, 楽器店については, 楽器メーカー以上になんとも言えないところです.
ボカロは売れてます!
データとしてわかりやすく奮闘しているな, というのが見て取れるのが, ボーカロイド市場です. ボーカロイド市場は, ソフトの売上げ以外も計上されますので, 楽器だけ, というわけではありませんが, 年々その規模を拡大しています.
2017 年には 100 億円規模になるとかならないとか.
2014 年頃に,「ボカロ衰退論」みたいないのが言われていましたが,
「ボカロ衰退論」ってなんだったんですかね, て感じですね. ただ, 2015 年まではボーカロイドソフトの売上げは下がっていたようですので, ボカロ衰退論は的を外していたとは言い切れないかな, とは思います. 市場全体の売り上げの伸び率も, 2013 年から 2015 年にかけて鈍化していたようですしね.
CD に使っていたおカネで楽器を買おう!
話が広がりすぎて, 収集がつかなくなりそうなので, この辺でまとめに入りたいと思いますが, CD やダウンロードにおカネがかからなくなったいま, 音楽ファンはその分のおカネを, いままでとは別の, 音楽に関連するモノゴトへどんどん使っていこう, ということです.
コンサートへは皆行くようになった. これはいいことだと思います. それで, その次. 楽器を弾こう! 機材をいじろう! ていうところへシフトしてほしい.
というか, この記事のためにちょろっと調べてわかったことは, 楽器へ戻ろう! ということです. かつてのように, 一家に一台のピアノが理想, ていう時代がとっくの昔に終了していることは百も承知です. ピアノのような高級品でなくても, もっと簡単な楽器とかね, 録音音楽 (≒ CD)の消費のためのコストがなくなった分, カネに余裕があるから楽器, ではない, また別のかたちの楽器との付き合い方っていうのが, 普及したら楽しい.
ただ, 楽器と向き合うのは, 単純に音楽を聴くのとは別の「時間」がまた必要ですので, その辺の問題はありますが.
肌実感として, 最近は, パソコンと連携することもできるんだけど, それ自体単体でガシガシ使えるスタンドアローン機材というのが, 増えてきているのかな, と思います. 音楽制作って, 半分スポーツみたいなところがあるので, やっぱ身体的な快楽ってあるんですよね.
最近は, よくもわるくも, なんでもコンピュータが内蔵されていて, たとえばスマート家電とかですね, そういう感じで, スマート楽器みたいなのがもっと普及すると, 面白いかもしれません.
以上, 2018 年, 音楽とどう向き合う!? でした!