20 世紀を聴き比べる (3)「1903 年: 2 人の印象派」

よく歴史の本で、ある年に世界と日本それぞれ何が起きたか比べられる年表がありますよね。ある同じ年にどういった出来事が起きたか世界と日本で比べられる年表の、音楽版というのがあれば面白いなと思いつきまして。ただし、日本の音楽と世界の音楽を比べるのではなく、同じ年に発表されたクラシック (現代音楽) とジャズ、ポップス、ロック、ヒップホップを比べる、みたいな。

それを年表にしてしまうと、インターネット上で見るのは厳しいものがありますので、1 つの記事につき、1 年ずつ、同じ年に発表された音楽を、ちょっとまとめて、聴き比べられるようにしてみようではないかと。

というのを思いつきまして、現在、「20世紀を聴き比べる」と題して、1 記事につき 1 年ずつ、ある年に発表された音楽を聴き比べることのできるシリーズを公開しています。

今回は第 3 回、1903 年です。

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1903 年のクラシック音楽

まずはクラシック。クラシック曲において「この年にはこの楽曲!」と断言するのは難しいのですが、この点に関しては、初回の記事のクラシックの項目を参考にしてください。

では、1903 年のクラシック曲を聴いてみましょう。

  • R. シュトラウス「家庭交響曲」

R. シュトラウスの自伝的な標題交響曲。詩や物語、歴史上の事件、絵画的なイメージ、海や川などの風景、哲学的な施策などと密接に関連した音楽を、標題音楽と言います。標題音楽のなかでも、オーケストラのために作曲した音楽作品を交響詩といいますが、交響詩はふつう、1 楽章形式です。複数楽章から成立する交響詩を、標題交響曲ということがあります。

  • ドビュッシー「版画」

中期の作品。ドビュッシーの中期の作品には、教会旋法、平行和音 (調的機能ではなく音色としての和音)、5 音音階、全音音階、色彩としての不協和音による印象主義的効果といった特徴がありますが、「版画」もその 1 つです。

  • ラヴェル「弦楽4重奏曲 ヘ長調」(1902 〜 1903)

ラヴェルは極度の幻想味と洗練を通じ、印象主義に新しい側面を与えました。

1903 年のポピュラー音楽

つづいて、ポピュラー音楽。

こちらも、作曲年なのか、出版 (発売) 年なのか、あるいはレコーディング年なのか、あるいは流行年なのか、が、1 つの楽曲において異なっていて、なかなか単純には言えません。

また、1903 年ピンポイントとなると、確証的な資料が手元になくてですね…

とりあえず、以下の 3 サイトを参考にして、「流行した」上位 3 曲を紹介します。

The World’s Music Charts」より

  • Haydn Quartet「In the Good Old Summer Time」
  • Arthur Collins「Goodbye Liza Jane」
  • Arthur Collins & Byron G Harlan「Hurrah for Baffin’s Bay」

playback.fm」より

  • Haydn Quartet「In the Good Old Summer Time」
  • Mina Hickman「Come Down, Ma Ev’ning Star」
  • Marie Lloyd「That’s How The Little Girl Got On」

MusicVF.com」より

  • Haydn Quartet「In the Good Old Summer Time」
  • Mina Hickman「Come Down, Ma Ev’ning Star」
  • Arthur Collins & Byron G Harlan「Hurrah for Baffin’s Bay」

こうやって聴き比べると、まだまだクラシック勢の方がめちゃくちゃカッコいいことをしてるのが分かりますね。ポピュラー音楽の方は、録音が悪すぎるというのもあるし、親しみやすさもあるんですが、単純感が否めないですね。親しみやすいんですけどね。ポピュラー音楽の方も!


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