Mr.Children『It’s a Wonderful World』レビュー: さよならジオシティーズ! 過去記事一挙転載(19)

ジオシティーズが… 終わってしまう… このままでは… 高校の頃にしたためていた音楽レビューが消えてしまう… なんとか救出しないと… とあたふたしていたのですが, パソコンを検索したら出てきました! ということで, せっかく発見したので,「さよなら, ジオシティーズ」と題して, 過去に書いた音楽レビューをこのサイトへ転載することにしました. 19 回目は, 2002 年 5 月にリリースされた Mr. Children のアルバム,『It’s a Wonderful World』レビュー. 文章はほぼそのまま!

ではどうぞ…!

【スポンサーリンク】
スポンサーリンク

Mr. Children『It’s a Wonderful World』レビュー

去年からマーケットに対して攻撃的活動を展開してきた Mr. Children。

そのベスト盤発売からの一連の流れの集大成のような作品、つまり、かなりポップで『Kind of Love』を彷彿させる・・・、

と、発売前はそう思っていた。

だから、個人的に買おうかどうか迷っていたし、場合によってはもうミスチルは聴かない、なんて考えていた。

Mr. CHildren はいつも、リスナーをいい意味で裏切り、裏切ることによりリスナーを増やしてきたバンドであることは周知の事実だ。

今回も、『Kind of Love』を彷彿させる・・・、なんていう大方の予想を裏切ってくれた。

それ故、先行シングルで Mr. Children を気に入ってこの作品を購入したなんていうファンに全く配慮ナシだ。

その分、音楽ファンには非常に嬉しい作品になっている。

先ず、ストリングスで構成されたお得意のインストで幕を開ける。

そのインストと繋がって始まるのが、「なぁんどでもー、なぁんどでもー」という印象的なフレーズでお馴染みの「蘇生」。

大胆な打ち込みとバンド音との絡み、そしてキャッチーなメロディが見事に融合されたナンバーである。

3曲目、アルバムの流れを組むために重要な役割を果たしている「Dear Wonderful World」でワンクッション。

この曲はAメロ、Bメロのみで、サビなしの構成になっている。

その答えはアルバムのラストで分かることにある。

続く4、5、6曲は桜井和寿のポップ魂の独壇場だ。

ポップといっても、ただ聴き易いだけではなく、音作りがしっかりしているため、産業的な安物とは一線を画している。

ただ4曲目の最後のA・猪木のセリフは、何だか力不足でどうでもいい感じがするが(笑)。

そしてアルバムの中核をなす7、8、9曲目。

はっきり言って、かなりのロックナンバー揃いである。

8曲目、「Bird Cage」では、『深海』を彷彿させつつも確実に進化をしている、悩ましげなシャウトと繊細なギターディストーションを披露。

いちばんヤバイのが9曲目、「LOVE はじめました」だ。

一見、つんく♂的なタイトルでどうでもいいような印象を受けるが、この作品の最重要ナンバーである。

猥雑とした雑踏のサンプリングから始まり、続いて打ち込み、桜井和寿のこれまた悩ましげなヴォーカルが入る。

歌詞は、お得意の字余り&エグさが炸裂。

「お前らが死刑になりゃいいんだ」と問題提示しながらも、一向に解決姿勢を見せようとしないのも健在である。

サビは「LOVE はじめました」という歌詞先行でフレーズが作られているため、

字余りでもあるし、今にもメロディが破綻してしまいそうなのだが、そのギリギリのところでバランスを保っていて、

その危ういバランスが、聴き手にスリルを与えている。

どうだ!!

ヤバイだろう。

とにかく聴いとけ。

10 曲目以降は比較的穏やかで、「君が好き」を交えながら、そのままアルバムを終えることとなる。

『優しい歌』に続き、最後を飾るのは表題曲、「It’s a Wonderful World」だ。

3曲目、「Dear Wonderful World」にサビをつけて、一個の曲として完成されたナンバーだ。

3曲目と最後、15曲目を併せて一曲、つまり、『It’s a Wonderful World』と言うアルバム自体が一曲、という構成になっているのだ。

『It’s a Wonderful World』は特殊な作品だ。

ポップでありながら、決してただのポップの羅列だけでは終わらず(深海のような構成をしていて)、それでいて一曲一曲のクオリティは非常に高い。

ロックであることにこだわりはない、むしろ自分たちはポップだ。

桜井和寿は音楽各誌のインタビューでそう語っている。

しかしこの作品は、そんな桜井和寿、そして Mr. Children 及び小林武史の音楽に対する直向な思いが結実され、

ポップという枠組みさえもぶち破ってしまっている。

一個の「音楽」が鳴っている。

Mr. Children 10 年目の傑作、そんな謳い文句も、全く恥ずかしくない、真の傑作、大作である。

【スポンサーリンク】
スポンサーリンク

シェアする

フォローする

関連コンテンツとスポンサーリンク

【関連コンテンツとスポンサーリンク】



【スポンサーリンク】
スポンサーリンク